03
・・・・・・。
まぁ都合よく気絶なんかできないわけで。
多分あと2時間もすれば目覚めて遅めの昼ごはんになるわけで。
納豆食べたい納豆。こっちにはなさそうな納豆。
今が春休み中で本当に良かったと思ってる。
じゃなきゃ中2病ならぬ高2病と自己診断した挙句
そのうち寝過ぎて出席日数足りなくて留年で悶え死ぬ。
とりあえず冷静になるためにもいつも通りを目指して
白い画面を黒く埋めていくのだけれども
鼻先をくすぐる金色の髪が目にもうるさい。
何故少年を後ろから抱っこしなきゃいけないのかしら。
「というか見ていてつまらなくなーい?」
「んー?何もしなくていい時間って贅沢だよねぇ」
ふわふわと微笑む少年よ、君はいくつですか。その若さですでに苦労してるんですか。そうですか。
木炭を持ってる手は汚れているし、もう片方はシートベルト代わりだし
なでなでする代わりに顎で頭頂部をぐりぐりする。
「あ、だめだ離れて」
ゆるゆると過ごしているとその時がきたのがわかる。
いつもの感じ。こちら側の意識が閉じる時はまるで貧血そのもの。
目の前が砂嵐からのブラックアウト。