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 さて。

 彼氏の部屋にひとりきりですよ。


 足湯マシーンをお母様の部屋からお借りしてベッドでリラックスですよ。アロマのいい香りがしつつボコボコ泡が出てますよ。


 

 リラックスして昼寝をしろって言われてもなぁ…

 

 

 枕元にはマヨネーズ(未開封)。



 強い意志で持って行け、と。



 …できるのかな、そんなこと。

 というか、彼氏のベッドで眠れるのかな。



 一応これでも乙女ですよとか思いつつカギ付きなので遠慮なくカギ掛けました。


 15分も足湯を堪能したら…ハルの思うツボってやつだわコレ…昼寝できそうな気がする…


 タオルで脚の水気拭き取って、化粧水とボディミルク塗り込みつつマッサージ。



 すごくいい休日です。ありがとうハル様。

 あとは本棚にある小難しそうな本でも読めば大丈夫そう。


 どれにしようかなぁ…と、私の部屋には絶対無い本を選ぶ。



 『功利主義論』




 秒で寝た。



***



 「そういえばエロ本は無かったな…」



 目覚めてふと思う。


 無事いつも通りアトリエにやってきた。

 そして抱え込んだ腕の中にはマヨネーズ!やればできるんだ!すごっ!


 ついでに…本も触っていたからだろうか、こっち来ちゃったよ呼んでないよ。

 

 でもパラパラとページをめくれば、もくじと最初の半ページ以外は真っ白。表紙と読んだ部分しか文字が印刷されていない。


 …読んだことあるマンガならもってこれるかも…。今度試そう。


 

 さて、どれくらい日が過ぎているのかわからないけれど窓開けてみようかな。


 ヨハンとは会い辛いけれど、その後のミカちゃんが気になる。何か良くないことがあったからこそ、私を隠れさせて出ていったんだろうし。


 さすがにもう隠れなきゃいけないような人の訪問はないだろうと、空気の通り道をつくるべく、窓とテラスを開ける。



 さわさわと新緑の香り。

 雨上がりなのだろうか、少し木々の葉が光っている。



 もうほとんど日常生活と変わりないくらい鋭敏になってるな、と感じる。

 生きているって普段考えたりしていないけれど、生きているっていうのは本当に五感フルで使っているんだなと思い知った。



 「さて、ミカちゃん達が来るのを待ちますか」



 今日はモチーフではなく、なんとなく風景画を書き始める。どこの茂みからひょっこり現れるんだろうな、なんて思いながら。


 けれど出てきたのはミカちゃんでもなく、ヨハンでもなく。



 「これはわからんわ、フローナもヨハンもなかなかやりおる」



 木々から滴る雨水を吸ったドレスがまだらな濃い紫色になっており、高そうなドレスがそんな扱いでいいのかと思いつつ、ガサガサと葉を掻き分けやってきたのは、深紅の口紅を差したおばあさんだった。



 「久しいなルイーゼ、いや今はモモカであったか」



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