ラクダ
私の名はラクダ。もちろん、本名などではない。ただ、ずっとそうありたいだけだ。
公務員として地方の役場に勤め、当然の毎日を過ごしてきたわけだ。しかし、今は停職命令を受け、やることがなく家の布団でごろごろしている。その顛末はこうである...。
先週、二人の同期とともに居酒屋に飲みに行った帰りのことだ。この道中で肩に接触した一人のサラリーマンと口論となった末に、私から手を出してしまった。相手は鼻の骨を折り、こちらは無傷。その事件が発覚した昨日から、任命権者から一週間の停職命令をもらった次第だ。
ちなみに、他の奴らは何の危害も被ってない。ふざけた話で、一緒にいたあいつらはグルになって俺だけを悪者扱いしやがった。こちらには体裁もクソもないわけで、つまりは言われるがままというわけだ!
こんな私が言うのも何だが、公務員は法律的に優位である。些細な事案も軽い処分で済むため、民間企業じゃクビにされるようなことでもどうにかなる。仕事上これといったノルマもなく、ノロマにこなしていく。また自らのコブに蓄えた人の金で食う飯は、そこらのサラリーマンより上等だ。
ああ、クソ、任命権者さんよ。一週間と言わず、もっと休みをくれたって良いんじゃないのか…?何せ公務員ってのは、とても楽だからだ!
土日祝日が休みな彼らは、非常に生産性が低い...。そんなものに、私達より安定且つ高額な給料、ボーナス、退職金、福利厚生、多い休日等々があって良いものか!
労働者は月曜から金曜まで、あろうことか土曜の深夜まで働き詰めだ。そんな中で労働基準監督署はブラック企業が蔓延る日本で土日が休みだというわけか!?ふざけるのもいい加減にしろ!!
国民の血肉を貪るラクダたちよ、ならば答えてみよ。
お前らの意義とは何であろうか...?