原書恋箱
LINEから持ってきました。
その場にお姉様がいたので、即興で書いたものです
多分きっと泣いてしまうわね。
もう触れる事もないでしょう。
歩くのは隣に誰かがいる証拠。
振り返らないと私は決めた。
光は強く弱かった。
闇は弱く強かった。
安定なんて存在しなかった筈なのに。
安心しきっていられる場所に気づいたんだ。
闇の中の私、光の中のあの人。
指先が触れた。
少しだけ。
その世界が色付いた気がした。
久し振りに。
ほんとに久し振りに。
「外食しよっか。」
姉さまにお誘いを受けた。
そう言えば何年ぶりだろう。
友達で。お姉ちゃん。
そんな彼女と久し振りの一時。
付き合いは10年来の大切なお姉ちゃん。
そうでありながら10年来の大切なお友達で。
それでいて10年来の大切な存在。
何度も喧嘩もしたし。
仲直りも何度もした。
そんな色々やってきた。
一番の大切なお姉ちゃん。
「懐かしいね。」
なんて。
イタリアンバルに二人で。
どうしたの?なんて聞けない。
二人で近況報告会。
お姉ちゃんもわたしも。
二人だけの内緒の話。
今日くらい。
幸せにいたいのかもしれない。
「今迄幸せじゃなかった分。貴女はちゃんと幸せにしてもらいなさいよ?」
…そんなこと言われたら。
嬉しすぎて。
泣きそうになるじゃん。
「わかった?私の可愛い妹ちゃん。」
ニコリとお姉ちゃんは私に笑う。
「あんたは幸せになる権利があるのよ。」
だから。
そう言ってお姉ちゃんは私を撫でる。
笑いながら。
わたしの頭を。
泣きそうになったわたしの頭を撫でた。
「泣くんじゃない。笑いなさい。幸せが逃げるぞ?馬鹿」
頭をポンポンとしてギューっと強く抱きしめてくれた。
また何時か。
私が、居なくなったとしても。
「あんたの結婚式には呼びなさいよ?わたしも呼ぶからさ。」
薄ら涙声な姉さまの声は。
『幸せになりなさいね。』
そう言ってるようだった。