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プロローグ
嗚呼、窓の外で雨が降りしきる。
雨は嫌いだ。身体が痛くなる。
クリーム色の壁と、空色のギンガムチェックが綺麗なベットカバー。
ここは小さな、保護施設。入っちゃいけない部屋ばかり、無駄に広い保護施設。
私は誰?
答えられる。クレカ、ごく普通の一般人、女
特に目立った事は無い。
でも、本当に私は私なのか?
私はいつだって私だ。
変な自問自答。いたずらにこの問いを自分自身に投げ掛けたくなる。
馬鹿だなぁ。
無意味なのにさ。
分かっている。でも、最近違和感を感じてしまうのだ。
ここは今日ででる。
私を引き取りに来た・・・と言うわりには少し曖昧だったが、取り合えず、ここを今日出る。
見慣れた部屋に一瞥した後、私は黙って部屋を出る。
窓がピカリと光る、雷雨が激しい日の夕暮れ時だった。