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4話-それなら、掃除用具入れに入っててくれないかな

「さてと、まだクラスメイトが来るまで時間があると思うけど、吉孝くんにはやってもらうことが一つだけあるんだけど、いいかな?」


緋架利がまだ誰もいない教室で吉孝にそう声をかけた。


「なんだよ、やってもらうことって」


「掃除用具入れに入っててくれないかな?」


・・・と、固まる吉孝。


「い、いや、なんでだよ!」


一瞬冗談で(笑)がつくぐらいのネタなのかと思った吉孝だったが、緋架利がいつになっても、なんちゃってー♪なんて言わないので、ツッコんでみたが、

やはり、冗談ではなく、本気のようだ。


「この世界に来る前に言ったでしょ?

キミは、ここに、ディストピアを回避しに来たんだって。

だから、策を練りやすくするために、最後までディストピアを見るの!」


「・・・なるほどー」


この人も考えてるんだな。と、関心する吉孝だったが、


「・・・でも、なぜ掃除用具入れ?」


疑問はそこにあった。


「まぁ、普通に席に座っててディストピアに耐えれるとは思えないし、何より、キミのディストピアでキミがここで殺されたらもともこもなくなって、キミは現実世界でも死んじゃうから」


ってのが、掃除用具入れに入る理由。と指を二本立てて吉孝に説明する吉孝。


「じゃ、じゃあ、掃除用具入れから見守らせてもらうぞ・・・?」


「うん、あ、私が合図したらその首にぶら下げてる時計で時間止めて、巻き戻してね」


「お、おう」


吉孝は鏡の中の世界、緋架利と初めて会ったときにもらった時計を握りしめ、掃除用具入れへ身を潜めた。


「・・・」


静まり返った教室。

教室の机に座っている緋架利。

掃除用具入れに入っている吉孝。

それぞれ、一言も話さずに時間がすぎるのを待った。


そして、教室中が騒がしくなりはじめた頃、ようやくチャイムがなった。


「よーし、じゃあ出席とるぞー」


教室に入ってきた先生は教室を見渡し、名前をよばずして、出席をとった。


「ん、板井は休みか」


掃除用具入れで心拍数があがった吉孝。


「じゃあ、今日はとくに連絡事項はないので、一時間目の準備しとけー」


先生がそう言い残し、教室を去ろうと、教室の扉を開けた次の瞬間。


「な、なんだおm・・・」


先生が言葉を言い終わる前に先生の首が宙を舞った。


赤い血が飛び散り、クラス中が悲鳴をあげる。


「きゃああああああああああああああああああ」


その中で女子が一人飛び出し、教室を抜け出そうとしたが、


先生の首を飛ばした犯人がその子めがけ、ナイフが投げられた。

女子生徒はそれをよけることもできず、背中に突き刺さった。


そのことが引き金になり、教室が鳥籠の扉が閉じられたように、誰も教室からでなくなった。


コツ、コツ、


先生の首を飛ばし、女子生徒に向かいナイフを飛ばした犯人が教室に

靴の音を鳴らしながら入ってきた。


「・・・板井、吉孝、は、どこ・・・?」


掃除用具入れに入っている吉孝の背筋が冷たい汗が流れる。


「・・・ねぇ、キミ、板井吉孝がどこにいるのか、わかる?」


犯人は深緑色のコートのフードをかぶり、顔を隠しているが、声からして、

どうやら、女性のようだ。


犯人は懐から拳銃を取り出し、キミと呼んだ男子生徒に突き付けた。


「し、知らない・・・俺、あいつのことなんか、知らない!」


「そっか、じゃあ、キミは、いらないや」


犯人は容赦なく、男子生徒の額に銃口を当て、引き金をひいた。


そのあと、新しく取り出したナイフで男子生徒の遺体をぐちゃぐちゃと嫌な音をたてながら

いじっていた。と思ったら、笑いながら、片手に何かを乗せ、クラスの生存者に差し出した。


「キミ達も、こんな風になりたくなかったら、さっさと、板井吉孝の場所を白状してくれないかな?」


犯人が差し出しているのは、紛れもなく、先程殺された男子生徒の

脳ミソだった。






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