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2話―そう言う訳で、救世主になるのです。

「俺が俺の、ヒーロー…?」


真っ白い部屋、壁には数人の人の写真。

この部屋にはそれと吉孝が座っている椅子しかない。


「まあ、私は君が迷わないための案内人ってとこだよ、あんまり不安がらないで?」


ポニーテールをもう少し上げたようなパイナップル頭の女の子は

両手を頭の高さまで上げ

自分と関わっても大丈夫だと示す。


「と、とりあえず、名前を教えてくれませんか?」


「おっと、その際にはお決まりの台詞があるでしょ?」


「“名乗る時はまず自分から”みたいなのですか?」


パイナップル頭の女の子は笑顔で首を縦に振る。


「俺は板井 吉孝って言います」


「そ、私は綴 緋架利[ひかり]よろしくね」


握手を求められた吉孝。

だが、その手と手の間に何かモノがあった。


「それは君のモノだよ、肌身離さず持っておくことをオススメするよ」


吉孝が握らされたモノはいかにも古そうな時計だった。


「それ、ヒモ付いてるでしょ?」


首から下げるんだよ?


と、その時計を首に通された。


「よし、じゃあ、色々と説明する事あるんだけど」


「あ、じゃあ質問していいですか!?」


話を聞かず、質問してわからない事を理解しようとする吉孝に、

緋架利は、はいはい、何?

と、適当に対応する。


「ここは一体どこなんですか?」


「んー、次元とか空間の狭間的な所なんじゃないの?」


安易にペラペラと喋る緋架利。

そんなことをスラッと言える所が凄いと関心する吉孝。


「じゃあ、俺はなんでこんな所にいるんですか?」


「君がディストピアなんてバカげたものを見ようとしたからじゃないの?」


“ディストピア”と言う言葉が無性に耳に残った。


「君は、ここにディストピア回避しにきたんだよ」


緋架利は表情を変えずじっと吉孝を見つめた。


「ディ、ディストピア回避…?」


「そ、見たでしょ?ここへ来る前に、地獄絵図とも言える光景」


「は、はい…」


「アレを回避する為に、君はここに来たんだよ?」


丁寧な口調。

緋架利は真っ直ぐした眼差しだった。


「か、回避…できるんですか!?」


緋架利とは正反対に吉孝は信じられないと、慌てて取り乱していた。


「できるとしたら、君はするの?」


「当たり前ですよ!アノ地獄絵図を変えれるなんて…やるに決まってるじゃないですか!」


緋架利は深刻そうな顔を吉孝へ送った。そして


「でも、ディストピア回避に失敗すると現実でも同じ事が起こるんだよ?」


「え、」


真実をオブラートに包むこともせず伝えた緋架利。


「まぁ、失敗しそうになったらさっき渡したその時計で時間を止めたり、戻したりできるから、滅多に失敗することはないと思うよ」


先程渡された首にかかってある時計を手にとって見つめてみる。


「よし、ある程度説明も済んだし、鏡の世界へどうぞ、お入り下さい、板井吉孝くん?」


写真と椅子しかなかった真っ白い部屋に全身鏡より数倍大きい鏡が現れた。


「この鏡の奥には君がさっきまでいた世界となんら変わりない世界があります、ディストピア回避をこの世界で成功させて下さい、では、検討をお祈りします。」


緋架利は吉孝の背中を押し、鏡に押し込むが


「え、ちょっ…!!」


その手をひかれ緋架利まで鏡の世界へと入って行った。















批判でも中傷でもいいので

コメントよろしくお願いします…!!

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