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ターゲット
電車から降りて早速ボスに連絡を取る。
『課長、お疲れ様です』
ここは日本。
もし隣の人が『ヘイ、ボス!』なんて電話してたら、俺なら驚くし、必ず記憶に残ると思う。
殺し屋たる者目立ってはいけない。
閑話休題。
本題に戻ろう。
『課長依頼ってなんですか?今日俺デートなんですよ。』
『ん?別れたんじゃないの?』
むむ、なぜボスが・・・
組織の情報力がまさかこんなところまで及んでいるのか、侮れない。
『昨日、高橋が言ってたぞ、お前んところ別れたって』
まさかの身内からの情報漏洩か。
高橋は組織の総務で歳も近い。
なんか酔った勢いで愚痴った気がするなぁ。
それでも俺は高橋を暗殺したい気持ちを圧し殺して、
『まだ別れてませんよ。用件は。話聞きますよ。』
『今からデータを送る。今から24時間以内に任務を遂行してくれ。では、よろしく~~~』
電話が終わるやいなやメールを受信する。
そして、ターゲットの顔を見て驚いてしまう・・・(続く)