蜜蜂の告白
どのくらい無言でいたのかわからなくなったころ、強い視線に負けないように睨み返してい
たつもりが見詰め合っていることに気づいて慌てた。
このままでは本当にキスされかねない。
「話すから、離して。」
ことばあそびのつもりはないけど、いっぱいいっぱいだ。
「……わかりました。」
やっと開放された。
「うん、えっと、あー。」
言葉が出てこない。って顔が近い!離れてほしい。
「座られますか?」
「……そうだね、すわろっか」
ここ、一応私の住まいなんですが。
さっきこいつが寝ていたベッドに座らされる。
奴も横に並んで座った。
「ニーナさん」
「っは、はい?」
「……いえ、話してくれますね?」
「話します、話しますよ。」
キスされたら困る。
私は、同居人がいたこと、その同居人が近々結婚すること、結婚相手はステラさんだという
ことを簡単に話した。
「私は、ステラさんと面識はないの。名前を知っているだけ。」
そこまで黙って聞いていた奴がいきなり質問してきた。
「同居人とおっしゃっていましたけど、貴方との関係は同居人というだけですか?」
「うん、ここの家は彼の家で私は住まわせてもらってただけ。」
「恋人だったのでは?」
「うーん、うん、恋人ではないよ。一度も恋人だったりそういったことはない。」
「そうですか。」
「この家は、ただ住まわせてもらってただけ。」
利用して。