蜜蜂の針
奴…ロイは大きな目を細めて、少し口の端をあげた。
やっぱり猫みたいだ。
「おれ…いや、私もお話ししたいことがたくさんあります。」
なんか、敬語?
「うん、わかった。先に私から話すよ。あのね、…覚悟して聞いて。」
「はい。」
心なしか緊張しているように感じる。
「あなたってあの島、モユ島の出身…だよね?」
「?はい、そうです。」
「ステラって人解る…?」
言葉がでてこない。
「ステラと知り合いですか?」
「知り合いって言うか、私が一方的に知ってるって言うか…。」
ステラと聞いたら雰囲気が変わった。
彼女はきっと愛される星のもとにうまれたひと。なんだな…
なんだか泣きたくなってきた。
「ステラがどうしました?」
ステラのために優しい声をだすんだね。
「えっと、結婚…するみたい。」
「…は?」
「あの、モユ島のステラさんが、今月けっ結婚されるます!」
言った!言ってやった!多少噛んだけど、一番重要な情報は言えた。
いつの間にかうつむいていた私は勇気とかいろんなものを総動員して顔をあげた。
そこには、理解出来ないって顔をしたロイという人がたっていて…。
また、私はうつむいた。
もっとこの人を傷つける残酷なことを言わないといけない
「婚約、していたんでしょ…?」
「…」
「えっと、あなたは戦死したと皆思ってる…彼女も。でもやっと立ち直って結婚する事になった…みたい。」
言いたくないのに。
背徳感というか、誰かの悪事を告げ口している気分だ。
ちょっと入院していました。
ゆっくりのんびり更新ですみません。