蜜蜂の助言
「元気になったみたいだね?よく眠れた?」
私は、色々聞きたいことを飲み込んでそう言った。
あの島出身?
婚約者とか、いた?
いや、いる?が正しいのか?
聞きたいけど、聞いて良いんだろうか。
「ありがとうございます。温かくしてもらったお陰です。」
布団の中の瓶をとりだして笑う。
まだ、そうと決まった訳じゃない。
情報が無さすぎる。
「休めって引き留めちゃったけど、時間大丈夫?」
「はい。急いでたんですけど、良く考えたら慌てなくてもよかったんで、大丈夫です。それより飲まず食わずの上にどしゃ降りで、体温奪われて死ぬとこでした。本当にありがとうございます。」
婚約者、のために急いでた?
その婚約者って、ステラ?
「…どうしました?」
よっぽど変な顔してたらしい。
「あー。ううん。なんでもない。…そう言えば名乗ってなかったね?私、
ニーナ。」
ぎこちなく、つっかえつっかえしゃべってしまった。
「…ニーナ、さん?」
「うん、ニーナ。よろしく?」
何て言ったらいいかわからなくて疑問形になってしまった。
「よろしくお願いします。」
ニッコリ、キラキラしながら、こいつは私の手をとった。
握手されてしまったのはいいけど、てを放さない。
「俺は、ロイといいます。このお礼は必ずさせてください。」
嫌な予感は当たるものだ。
死んだ婚約者の名前。
「…あなたに、話さないといけないことがあるかもしれない。」
なんて言えば良い?
あなた、幽霊じゃないよね?
いやいや、違う。
島のみんなも、彼女も貴方は戦争のとき、死んだと思ってる。
そんなこと言えない。
でも今彼が彼女の前に現れたらどうなる?
最終的には皆傷付くだけじゃない?
どうすれば?どう言えば誰も傷つかないんだろう。
傷つけて、メチャクチャになったって別に関係ない。
そんな考えがふとわいて、あわてて消す。
本当に私は嫌な人間だ。
頭が、グチャグチャすぎる。
考えがまとまらない。
名前、はじめは違う名前でした。
とある作品と被ってしまったことに気づいて 、慌てて考え直したのですがしっくり来なくて決まらず。
もう、なんでも良くなって適当に決めてしまいました。
ニーナ、ロイ共に短い名前になってしまいましたが呼びやすくていいかと思うことにしました 。