蜜蜂の混乱
名前も知らない奴は、しばらくニヤニヤしてたと思ったらすぐ寝てしまった。
瓶にお湯をいれてタオルでぐるぐる巻きにしたのを用意してそっと布団に入れやった。
これで体温もまた下がるってことはないと思う。
死なれちゃ困るからね。
心のなかで言い訳をしてそっと立ち去ろうとしたら、視界がぐるんと天井へ向いた。
私の髪の毛が何かに引っ掛かって、突っ張ったようになっている。
どうやら、奴が寝返りをうって私の束ねた髪の毛を体の下にひいてしまったみたいだ。
ひっぱってみたが取れない…
起こすのも忍びないし、どうしたものか。
ベッドの脇にもたれてしばらく考えていた。
…
…ら…
ハッとして目が覚めた。
あれ、私、寝てた?
うたた寝をしてしまったみたいだ。
また寝返りをしたのか奴の体から私の髪の毛はスルリととれた。
時計をみると、3時間位経過している。
…ステラ…
寝ぼけて、誰かの名前を呼ぶ奴。
ステラなんて、よくあるなまえ。
そういえば島にいる彼女の名前もステラだった。
まさか。
まさか、ね。
ざわざわと胸の辺りから嫌な感じが広がってきた。
よろめきながら立ち上がると、バランスがうまくとれなくてサイドテーブルに手をついた。
ガタガタと音をたててしまい、起こしたかとやつを見た。
スースーと寝息が聞こえる。
深く眠っているようだった、よかった。
リビングに戻って、落ち着こう。
ここで奴の寝顔見てたって仕方ない。
綺麗なやつのかおが、ふっと笑った。
「照れるのであんまり見ないでくださいよ。」
こいつは、豹でも天使でもなく狸だったらしい。
ちょっと一回の投稿文をみじかくしてみました。
読みにくいかと思って。