蜜蜂のごちそう
ドキドキする。
良い男って思っちゃったけど、所謂イケメンではなくて優男というか、天使?
神々しいというのかなんというか。
不覚。きれいな顔の男には耐性あると思ってたんだけど。
着替えをしてるあいだにご飯作ろう。
きっとまだ固形物はあんまり食べさせない方がいい。
美味しくて、栄養があって、食べやすいもの。
とりあえず、お粥?
パンがゆを作りながら、他に食べやすいものとからだがあたたまるものをかんがえて
ジンジャーがはいったハーブティーとプリンを作った 。
またソファの上でぐったりしていたので仕方なくあーんってしてあげた。
食器を下げながら気づいた、恋人同士みたいだ。
あんなにウジウジしてた気分もいつのまにかすっ飛んでた事に苦笑いした。
食器を片付け終わってキッチンからでると、ソファに座って毛布にくるまる奴に話かけられた。
「スミマセン、なんか何から何までしてもらって。有り難うございます。」
お、ちゃんと話ができるまで回復したみたいだ。良かった。
「どういたしまして、気分はどう?」
…なんだろうこのきもちは、母性?
見ず知らずの男性なのに、私に`あーん´までさせるとは末恐ろしい。
「大分良いです。」
顔色もいいし、意識もはっきりしてるから凍死ってことはもう無さそうだ。
「プリン、すごく…美味しかった…です。」
あれ、なんだか眠そうだ。
ベッドに寝かせた方がいいだろうか。
「俺、家にかえったらお礼します…」
「いいよ、お礼なんて。」
「そんなわけには…」
すごく眠そうだ。
眠そうな奴を引きずって、彼が使っていたベッドへ連れていった。
少し使われていなかっただけでかび臭い気がする。
「ほら、ここ使って。」
「泊まるわけには、…いきません。」
「大丈夫、弱ってる人間襲う趣味はないから。」
少し、ぽかんというかキョトン顔された。
「ふっ…ははっそれ、男の言うことですよ?」
そうかな?
そうかも。
「良いからお節介おばさんのいうこときいて寝なさいよ!」
顔が、熱い。
「おばさんって、若く見えますけど。」
ニヤニヤされている。ムカついてきた。
「20にもなれば、立派ないきおくれのおばさんでしょ!」
「20歳なんですか?」
まだ19だけど!といおうとしてやめた。
何をこんなに熱くなってるんだ。
「じゃあ、俺もおじさんですね。22歳なんで。」
く、年上か。なんか悔しい。
「とりあえず、泊まらなくていいから仮眠、取れば?」
奴はきれいな顔で微笑んだ。
「はい。ではお言葉に甘えます。おばさま。」
一言余計だと思う。
キャラクター崩壊すでに起きてますね。
補足
この世界の結婚適齢期は20歳前後です。
20でいきおくれってことはないですが、貴族等では政略結婚の関係で20頃にはたいてい結婚しています。