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いつも君がいた  作者: 遙香
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003:お片づけ


 改めて部屋を見ると、8畳程の広さの1ルームに一部ロフトがついている。造り付けの本棚とクローゼット、シャワールームとトイレ。寮というには豪華すぎる作りだと思う。

 間取りを見てからベッドを選ぼうと思っていたが、ロフトの上で寝ることにして、ベッドの変わりにソファーを置こうかな、と呟く。窓から見える景色は中庭に面して緑が多く、落ち着ける。

 角部屋の特権か、窓は2方向についていて部屋も明るい。片方は掃きだしの大きな窓で小さいながらバルコニーがついている。

 とりあえず、窓が全開のままでは落ち着かないので、持参したカーテンをかけようと、踏み台になるものを探す。持ってきたカーテンは淡いピンクにレースと小花がちりばめられたお姫様系のデザイン。お気に入りのデザイナーズブランドのものだ。

 「このサイズで合えばいいけど・・・」

呟いて、ダンボールを踏み台の代わりにしようと窓際まで運ぶ。片足で力をかけてみても頑丈そうで、そっと乗ってみても安定している。

 これなら大丈夫・・・

「キャァッッ!

カーテンレールに手を伸ばそうと背伸びをした瞬間、バターン、と派手な音を立ててダンボールの上から転げ落ちた。

「どうしたっ?!

バタン、と扉が開き、勢い良く駆け寄ってくる人影。カーテンが身体に絡まって床に倒れた零を抱き起こす。フワリ、とネロリの甘い香り。

「・・・ごめんなさ・・・!!」

てっきり、かおる君が来てくれたのだと思って顔を上げると、そこには不機嫌そうな駿の顔。

「あっ、あのっ、わ、わたしっ

焦りまくって、何を話していいのかわからなくなる。抱き起こしてくれている腕のたくましさに頭がクラクラした。

「零ちゃんっ、どうかしたの?!・・・あぁ、

激しく扉が開く音を聞きつけて、かおるが顔を出し、へこんだダンボール、ちらかったカーテン、倒れた零と助け起こす駿を見て、かおるはやれやれ、と肩をすくめる。

「そのダンボールに乗って、カーテンをかけようとして、転んじゃって、その音に驚いて駿が駆けつけた、と、そんなところ?」

「は・・・はい・・・」

「ばかか、お前。そんな箱の上に乗ったら危ないに決まってるだろ!」

「ごっ、ごめんなさいっ」

駿に怒鳴られて、ビクリ、と身をすくめる。男の人に怒鳴られたのは初めてで、怖くて顔を上げられないでいると、まぁまぁ、とかおるが駿の肩に手をかけた。

「零ちゃん、困ったことがあったら呼んでね、って言ったよね?」

「それに、駿もいつまで零ちゃんを抱いてるつもり?それは僕の役目のはずなんだけど?」

冷静なかおるのつっこみに、駿は一瞬頬を染めるが、それ以上に零は真っ赤になった。

「あっ、わっ、わたしッ!も、大丈夫ですッ!ごめんなさい・・・・痛ッ!!」

零は慌てて駿から離れようとして左足に体重をかけ、再びその場に倒れこむ。

「どうした?!足、捻ったのか?」

見せてみろ、と駿に言われ、おずおずと痛む左足を差し出す。ショートパンツから出た素足を見られるのがなんだか恥かしくて身体が熱くなった。

「・・・腫れてるな。早く冷やした方がいい。」

「僕、くらっちに湿布をもらってくるよ。駿は零ちゃんが無駄に動かないように見張ってて。」

かおるが出て行くと、駿は小さく舌打ちし、少しずつ腫れのひどくなる零の足首に目を落とす。零は不機嫌な顔の駿にどうしていいかわからなくなって俯いた。

 ・・・すごく不機嫌そう・・・。

ちらり、と横顔を見て思う。

 さっきも怒鳴られたし、完全に嫌われたよね・・・・。

そう思うと、なんだかとても悲しくなった。フワリと微かに香る甘いネロリの香りが鼻腔をくすぐる。

「・・・お前、すごくちっちゃくて、なんか、人形みたい。」

ポツリ、と駿が呟く。

「え?

顔を上げると、相変わらず無表情な駿の横顔。

「顔も、足も、手も、全部、」

よくできた人形みたいだ、と続けた。

「くっ、久遠君は、すごく大きいよね?身長、180センチくらい?かなっ?て、最初会ったとき、」

支離滅裂だ、と内心思いながら、零は一生懸命言葉を捜す。駿が話してくれているのが嬉しくて、思わず笑顔になった。

「お前、犬みたいなヤツだな。ワンワン尻尾振って喜んだり、耳垂らしてしょげたり、面白いヤツ。」

「いっ、犬って・・・」

「チビだから子犬だな。」

相変わらず無表情。零の方を見ることはなかったが、口元には小さな微笑みが浮かんでいた。




 「・・・はい、できたよ。これでいいかな?」

すっかり腫れてしまった足首に、かおるは丁寧に湿布を張り、はがれないように、と包帯を巻く。

 ちょっと、大げさ・・・。

零は内心思うがかおるに礼を言う。

「じゃあ、とりあえず、零ちゃんはそこに座って、

とかおるは唯一セッティングの終わっているドレッサーの椅子を指す。

「駿はそっちのカーテン、よろしく。」

「・・・はい、零ちゃん掴まって?」

そして、床に座ったままの零の横に跪き、ひょい、と抱き上げる。

「えっ!あっ!わっ、

「暴れると、危ないよ?」

 おぉぉぉ姫様だっこ?!

「零ちゃんは小さくて、可愛いね。このまま連れて帰りたいな。」

そしてまたサラリとすごいセリフを口にするかおるに零は抱き上げられたまま真っ赤になる。

「おい、かおる。お前もさっさと手伝え、」

「はいはい。せっかくの零ちゃんとの甘い時間を邪魔してくれてどうもありがとう、」

極上に不機嫌そうな駿の声に、かおるは苦笑し、零を椅子の上に下ろした。


優しいイケメンに囲まれて生活したーい!

という、願望をそのまま書いてますので・・・。支離滅裂だったらごめんなさい。

でも書いていて非常に楽しいです(笑)

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