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いつも君がいた  作者: 遙香
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001:転校生

いいなーこんな高校生活したかったなー、と妄想しつつ。

やっぱり美しいものには癒されます。

どんどん逆ハーになっていくので、女性向けだと思います。

 新学期が始まる前に、寮への引っ越しが待っていた。

事前に届いた案内によると、零の入る寮は《シュヴェールト》。ほかに、《エスクード》《アルマ》の3つの寮に分かれている。

 シュヴェールトって、剣?エスクードは盾、たしかアルマは鎧、だったよね?何だかファンタジーチックな名前・・・。

 案内にある通り電車を乗り継ぎ、駅から30分ほどの道のりを歩く。零の住んでいたところよりもずいぶん都会で、これからの生活はより楽しいものになるだろうと期待が膨らんだ。


 もらった地図をたどっていくと、街を抜け、次第に緑の多い景色へと変わる。

大きく婉曲した道を曲がると、目前に白を基調とした麗美な校舎が現れた。


 わぁ、すごい綺麗。金持ち学校、って感じ、だよね。


 心の中でつぶやき、閉ざされている大きな門に近づいた。


 「佐倉零さんですよね?」

どうやって入ればいいのか、と思案していると、背後から声をかけられ零は思わず声をあげた。

「・・・驚かせてごめん。僕はこの学校の生徒で月島つきしまかおる。よろしく。」

振り向くと、そこにはアイドルばりの眩しい笑顔。何かスポーツをしているのだろう、背の高い少し筋肉質な体、少し茶色の、長めの髪は綺麗に整っていて、男性にしては大きめのこげ茶の瞳が印象的だ。

「あっ、は、はじめましてッ!佐倉零です!今日からこちらにお世話になりますっ!」

突然現れた、下手なアイドルよりもずっとかっこいい男子生徒に零はどぎまぎしながら頭を下げる。

「こちらこそ、よろしくね。寮に入るって聞いてるけど?

「あっ、はいっ

「それなら僕と同じだ。案内するよ。」

にっこり、と微笑まれ、腰が抜けそうになる。なんて男前。こんな人と同じ寮なんて幸先がいい。

「君・・・零ちゃん、でいい?零ちゃんはこの高校の事、よく知ってる?

寮までの整備された小道を歩きながらかおるが問いかける。

「いえ・・・急に転校が決まって、寮がある事と、海外進学の道が選べる事だけを基準に選んだので・・・」

零が言い淀むと、かおるはそうだろうね、と言ってクスリと笑った。

「そうだろうね、って・・・

「いや、この学校、確かにいろいろと優秀なんだけど、寮に入ってるのは零ちゃん以外、全員男子だし、

「・・・え、

「海外進学科なんだよね?そこも、男子しかいないし。

「えっ?!

「それに、ほかの棟とは基本的に交流がないから、要するに、零ちゃんは男子校の一輪の花的存在、ってこと。」

「えぇぇぇぇぇぇっ!

驚きすぎてフリーズした零を見てかおるは声を立てて笑い、さぁ行こう、と促した。

「大丈夫、零ちゃんなら問題なくやっていけるさ、

「どっ、どうしてそんなことわかるんですか?

「どうしてって、零ちゃんは可愛いから。きっとみんなから好かれると思うよ?

さらっと、心臓を打ち抜かれるセリフを口にし、かおるは100%スマイルを浮かべた。

 男子校、って、女子一人って、聞いてないしっ!いや、私も聞かなかったけど、共学って書いてあったし、話の流れで行くと寮が男女一緒?!

内心大パニックの零はしばらく茫然とし、自分が荷物を持っていない事に気がつく。

「あれっ?!荷物っ!あぁっ!ごめんなさいッ!」

「校門で会った時から僕が持ってたんだけど、今気付いたの?

かおるはおかしくて仕方がないという風に笑う。

「あのっ、月島・・・サン、すみません。私いろいろと驚いちゃってそれで・・・

「かおるでいいよ。かおるって呼んで。・・・いいんだよ。女の子に荷物を持たせるのは僕の趣味じゃないから。

 あぁ、かっこよすぎる。こんな人世の中にいるんだ。いや、少なくとも前の高校には一人もいなかった。

 零は丁寧にお礼をし、かおるの案内に従って寮へと足を踏み入れた。



さっそく、ポイントを付けてくださった方、お気に入り登録をしてくださった方。

本当にうれしいです。頑張ります。


誤字脱字など、ご指摘いただけるとうれしいです。

このお話は書き下ろしでいくのでつじつまが合わないところが出てくるかも・・・。そんな場所が出てきたらぜひご指摘くださいませ。

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