000:プロローグ
筆者自身が「あーこんな恋愛したいー」と思う要素を詰め込んでおりますので、
あまーいラブラブが苦手な方には不向きと思われます。
尚、プロローグの頭のメモは『きみがすきだよ』と言う曲の歌詞を若干(いや、かなり)パクっております。
『心から、君が好きだよ。
君が好きだよ、誰よりも。
いつも見てる。遠くから。
一人ぼっちの君を守りたい。』
転校してすぐ、学校の図書室で借りた本の間に、流れるような美しい文字でかかれたメモが挟んであった。
誰かの秘密を見てしまったようで、胸がドキドキした。
でも、そんな風に想われる女性がうらやましくもあった。
佐倉零は両親が海外赴任で不在となるあおりを受け、高校3年に進学する春に転校することが決まり、遠方からの生徒を受け入れるために寮制度のあるここ、私立白金台高校へ編入した。
数ある高校の中からこの高校を選んだのにはいくつかの理由がある。一つは、学力が国内でも指折りの進学校であること、海外の大学への進学サポートがある事、そして、自分の事を誰もしらない、故郷から離れたところにある事。
零は忘れたかった。今までの人生を。ありきたりの高校で、夢を持って努力することがいじめの対象となる理不尽な場所での生活を。
今日からは、新しい自分。
顔をあげて、自分の目線で歩いていこう。背伸びをし過ぎて足元の小石につまずかないように。