「探し物」をやめて「好きなモノに囲まれる生活」目指しませんか?
筆者:
今回はこのエッセイを選んでいただき誠に光栄です。
本日は「探し物をすることの無駄さ」と、どうすれば探し物をなるべくせずに済むかについて考えていこうと思います。
質問者:
確かに、「あれ、どこにいったっけ?」と探している時間は無駄ですよね……。
筆者:
コクヨが2017年に行ったビジネスパーソン1000人に対する調査では、
1日で探し物をしている時間は20分、年間では80時間にも及ぶことが分かっています。
学生の方だと教科書やノート、筆記用具、部活用品など比較的何を使うのか日々決まっていると思うので社会人より探しているとは思えないのですが、それでも探している時間はあると思うんですよ。
質問者:
確かにゼロということは無いでしょうね。
そうなると一体どういうことをすれば探し物をする時間は減るのでしょうか?
◇視覚ノイズを無くす
筆者:
まずはとにかく掃除をすることが大事だと思います。
そして、なるべく不要なモノは机から無くすのです。
僕も1時間捜索して、目的物が机の上の真ん中に堂々と鎮座していたという事件があったんですね(笑)。
机がモノで溢れすぎて気づかなかったんです(笑)。完全なる無駄な時間だったと言えます。
自分の机は普段使うモノ最低限だけが見える状態が理想的だと思います。
無駄なモノがあればあるほど「視覚ノイズ」といった現象が起きます。
質問者:
なんですかそれは……。
筆者:
モノが視界に入りすぎると脳が処理しきれなくなり疲れてしまう「ノイズ」が入ってしまうような状態を指します。
そもそも現代人はモノを持ちすぎなんです。
一説によると現代日本人が1日で目にする情報量は江戸時代の1年分にも匹敵すると言われています。
これは情報化社会になったというのもあると思うのですが、
それと共にモノを持ちすぎてしまっているという要素もあると思うんです。
かつては片づけについて考える必要が無かった物量から「モノにまみれる」状況になってしまっています。
しかし、それに対して人間の脳の処理能力は江戸時代に生きていた方と比べて365倍も上がったとは思えないんですね。
散らかった部屋でイライラしてしまうのは視覚ノイズが影響しているからと言われています。
そうなるとモノを視界に入れる量を少なくしていく必要があるんです。
普段見えないところにしまい、しまうことが出来ないものは捨てるしかないと思います。
質問者:
いわゆる、断捨離ということですか……。
筆者:
元旦に起きてしまった能登半島地震においても、
倒壊した建物の下敷きになったことなどによる「圧死」が最も多く、
全体のおよそ40%を占めていることがわかりました。
建物が崩れても棚とかが少なければ比較的簡単に出ることができますし、
災害大国の日本としてはモノを減らし家具も減らしていくことが生き抜く上で大事だと思っています。
◇断捨離に重要な3つのポイント
筆者:
ただ、「断捨離」と聞くとハードルがいきなり高くなると思うんです。
スッキリとした部屋は理想的ですけど、理想は高すぎても達成できません。
そこでまず目標として「好きなモノに囲まれる」という理想図を思い浮かべてほしいんです。
質問者:
しかし、いつかは使うモノってありませんか?
筆者:
まず、そこなんですよね。「いつか使う」と言って、この1年以内で使わなかったら捨てていいと思います。
質問者:
それじゃもったいない気も……。
筆者:
そうは言っても“いつか使う物”の「いつか」は、
女の子の「いつかお茶しましょう」というのと同じぐらいか、
それ以下の実現可能性と思った方がいいと思うんです。
質問者:
確かにそういってお茶したことはありませんね……。
筆者:
そうでしょうね(笑)。
仮に「いつか」が来たとしても古くなってしまい結局あまり使えなかったり、
新しいモノの方がよく見えたりするものです。
質問者:
しかし、1年以内に使わなかったとしても「思い出の品」というのがあると思うんですけどそれについては捨てられないと思うんですけど……。
筆者:
僕は断捨離を始めるまでなんと「幼稚園のお知らせ」から保管してあったんです(笑)。
しかし、写真を撮ったりスキャンをしてデジタル化ことによって「現物でなければどうしてもいけない」というモノ以外は捨てることが出来ましたね。
今や卒アルすら残っていません(笑)。
質問者:
卒アルすらないだなんて何だか冷たくないですか……?
筆者:
でも同窓会とかでパッとデジタル化した卒アルを見せることで活用することが出来ます。
ヘタに現物としてあっても埃を被ってどこに行ったか分からないより、
よっぽど本来の目的を果たしていると思うんですよ。
卒アルで大事なのはその時の気分を思い出すことであって、
現物の写真に固執することではないと、少なくも僕は思っていますのでね。
質問者:
確かによっぽど大事な写真以外は無くていいのかもしれませんね……。
筆者:
思い出の品もどうしても現物の形、肌触り、あった方が安心するなどの要素が無いのであれば、捨てていいのではないか? というのが僕の感覚です。
質問者:
なるほど……。デジタル化して完全に無くなるわけでもないですし、
現代ならではの断捨離方法という感じなんですね。
筆者:
最後に「好きなモノ」ついては皆さんの価値観によって大きく変わってくると思うんですけど、やっぱりあるだけで嬉しかったり、視界にあって安心したりするモノがいいと思うんです。
質問者:
他人から貰ったモノについてはどうなのでしょうか?
筆者:
基本的にはあげた側は覚えていないものです。
仮に覚えていても“現物を見せろ!”と要求してくる人は聞いたことはありません。
そういう面倒なタイプの人とは距離を置いた方がいいと思いますしね(笑)。
1年以内に使っていない他人から貰っていないものも写真を撮って捨てることが大事だと思います。
質問者:
基本的に写真を撮って捨てるんですね……。
◇好きなモノをどう整理するか?
筆者:
好きなモノを厳選したところでしっかりと場所を把握していくことが大事になります。
どの棚に何が入っているのか完璧に把握しておくことがいいと思います。
質問者:
しかし見えない状態が理想なのに、どこに何が入っているか把握しておくことは大変じゃないですか?
筆者:
そんなときは入れた時に写真を撮ってどこに何が入っているかしっかり把握しておきましょう。
“住所”をしっかり定めておくことで元に戻す際にも楽になります。
探し物に時間を取られることも無くなりますしね。
在庫を把握することも簡単になるので買いすぎという状況も防止することが出来ますね。
質問者:
写真を撮ることが結構大事なキーワードになりそうですね……。
◇断捨離の価値観
筆者:
正直なところ「断捨離」と聞くと、「なんでも捨てる奴」みたいな冷たいイメージがあると思うんですけど、僕は全く逆だと思うんです。
「モノが好きだからこそしっかり厳選して管理する」
これが捨てている真の理由なのです。
何が必要なのかわかれば無駄に買うこともなくなります。
モノがあることが裕福なのではなく、好きな少ないモノに囲まれて心のゆとりの方がよっぽど裕福だと思うんです。
質問者:
私もなんでも捨てることなんだと思っていました……。
筆者:
中にはベッドやダイニングテーブルや冷蔵庫や洗濯機などの生活必需品まで捨ててしまう「断捨離上級者」の方もいるんですが、僕はそこまでやる必要は無いと思います。
それらが全て無くても不便に思わず、何もないことが幸せが得られるのであれば捨ててもいいと思いますが、
便利さを捨ててまで行う必要は無いのでは? と思うんですよね。
何事もプラスとマイナスの側面があるのでバランスが大事だと思います。
質問者:
とはいっても日々の生活に忙しくて断捨離なんてできない……という方がほとんどだと思うんですよ。
筆者:
そのために“大チャンス期間”にまとめてやってしまいましょう。
その期間とはズバリ「引っ越し」と「リフォーム」の瞬間です。
この瞬間は段ボールにモノを詰め込んだりして自分の全てのモノを自然に目の当たりにすると思うんです。
僕も引っ越しの時に少しでも引っ越しの価格を抑えようと厳選した形です。
もうすぐ年度も変わりますからその瞬間が近い方も多いと思います。
その際にご自身の「好きなモノ厳選」をされてはいかがでしょうか?
質問者:
確かに引っ越しの時は部屋中のモノを見ることになりますからね……。
どうしてもという差し迫った瞬間が無いと難しいかもしれませんね。
筆者:
ただ、チャンスはそうないと思うので頭に入れておくことが大事かなと思います。
ポイントは先ほども申しました通り、
① 1年以内に使っていないモノは基本的には捨てる
② 思い出の品でも現物であった方がいいもの以外は写真を撮ってデジタル管理をして捨てる
③ 大好きなモノで囲まれることを目標にする
④ 扉の中にしまったものは写真を撮って“住所”を明らかにすることで探す時間を減らす
こういったことだと思います。
質問者:
そもそも、モノを持っていても結局のところ死んだら何も持っていくことが出来ないですから、今のうちから管理することは大事かもしれませんね。
筆者:
有事の時ほど身軽な方がいいですからね。
若い方ほどこれまで蓄積したモノは少ないと思うのでやり易いですし、
不必要なモノを買わない訓練が出来れば無駄を省くことが出来ますのでとてもお勧めです。
シンプルに好きなモノに囲まれる暮らしを目指していきましょう!
ということでここまでご覧いただきありがとうございました。
普段は政治・経済、マスコミの問題について個人的な解説を行っていますがこうした「生きやすい考え方」についても解説しているのでどうぞご覧ください。