迷い木の怪物 4
「分かりました、ユモトさん頼りにしてまずよ」
「あ、いや、そんな、頼りだなんて……」
真面目な顔は長く持たなかった。ムツヤに頼りにしていると言われたユモトは右手を口元に当てて身を小さくしてしまった。
そんなやり取りがあり、今は家の中でユモトの料理が完成するのを待っている。火はコンロの下に魔導書が置いてありそこから出る。
水はカバンの中にいくらでもある。ムツヤは外の冒険の準備として井戸水を直接カバンの中に入れておいたのだ。
「出来ましたー」
ユモトが台所から嬉しそうな顔をして言った。サラダにパンにシチューとステーキまで付いている。とても森の奥での食事とは思えない。
「美味しそうですね~、いただきます」
料理には性格が出るのだろうか、繊細な味付けはありあわせで作ったとは思えないぐらい美味しかった。
ムツヤはガツガツと食べ、モモも料理の腕でユモトに負けている事が悔しいと思いつつ手が止まらない。
食事が終わると眠気が襲い、ムツヤはうつらうつらとしていた。
「ムツヤ殿、私が外を警戒しておくのでどうぞお休みになって下さい。ユモトも疲れただろう? 寝ると良い」
モモはそう言って鎧を着ようとする。しかし、それはムツヤの言葉によって止められる。
「あぁ、大丈夫ですよ。この家って頑丈だしモンスターが近付くと物凄く大きな音がなっで起きられますがら」
それならばと鎧を置いて寝ることにした。モモも1日中森を歩いたせいで疲労が溜まっていたのだ。
「寝る場所は二階です」
そう言って案内をするムツヤ。2階には部屋が2つある、なんだかモモは嫌な予感がした。
「左が小さい部屋で右が大きな部屋です。どっちもベッドは1つだけですが、右の部屋のほうが大きなベッドがあるんで俺とユモトさんはそっちで寝ましょう」
「ま、待って下さいムツヤ殿!!」
男同士がベッドを共有する事にモモは待ったをかける。
「そ、そうですよ!! 同じベッドで寝るって! あ、あの、僕は今日1日歩いて汗臭いですし…… 僕は下のソファーで寝ますよ!」
「そうですか? 全然汗臭いとは思わないですけど」
ムツヤはユモトに近づいてクンクンと匂いをかいだ、顔が火照っていたユモトだが、追撃で匂いをかがれ恥ずかしさで両手で顔を隠す。




