迷い木の怪物 2
森の奥にその魔物は居た。
迷い木の怪物と呼ばれるそれは上半身が人間の女の形をしている。
緑色の髪をし、服のように樹木の葉っぱを身にまとっているが、露出している部分のほうが多い。
下半身は大きな木と融合している。
「マヨイギ様、彼等の偵察が終わりました」
「ご苦労さま、いい子ねヨーリィ」
ヨーリィと呼ばれた女が膝を地につけて報告をした。
年は12か13歳ぐらいで、ゴシック調の黒いドレスを着ている。
そのドレスと同じぐらいに黒い髪。濁った紫の瞳はまっすぐに眼の前の主人を見つめていた。
「それで、奴等は何をしていたの?」
「はい、家を作ってそこで寝ています」
迷い木の怪物はその報告を聞いて固まる。今なんと言ったのだ、家だと? だがヨーリィが冗談を言うことは決して無い。状況が全く理解できなかった。
「家とは何だヨーリィ、ただの寝床じゃないのか?」
「はい、家ですマヨイギ様」
迷い木の怪物はいまいち状況が飲み込めないでいた。この森で人間1人ぐらいの養分を吸収しようと思い、下調べをした時には小屋の1つも無かったはずだ。
「わかったわヨーリィ、私をその場所に案内しなさい」
「かしこまりました、マヨイギ様」




