いわゆる男の娘 2
「えっ?」
ムツヤは拍子抜けして間の抜けた声を出した、戦いの初心者を演じるシミュレーションを何度も頭の中でしてきたのにそれはあっさりと無駄になる。
「どうしてですか?」
「どうしてって、もう手を握った瞬間わかるわよ。確か君は外国の人でしょ? そこでどんな修行をしたのかは知らないけど、こんな新人は初めてよ」
ムツヤは晴れて冒険者の1人となり、ユモトが魔法使いとしての感覚を取り戻すまでの3日間モモと共にゴラテから冒険者ギルドの使い方や依頼の受け方等を教わっていた。
そしてやっと今日、3人だけでの冒険が始まる。
初めてこなす依頼は『森の中で薬草を取ってきて欲しい』という簡単なものだった。少し退屈な依頼だったが、ムツヤは張り切っている。
この時は誰も薬草を取りに行くだけなのにとんでもない魔物と出会うことになるとは思いもしていなかった。
「この森は昔よく入ってましたので僕が案内しますね」
森の入口に立つとユモトは笑顔を作った。
お世話になったムツヤ達に少しでも恩返しが出来ることが嬉しかったからだ。
「わがりました、お願いします」
ムツヤはそう言うとユモトの後ろをくっついて歩いた。
この森は凶悪な魔物が出ることも少なく、新米冒険者の訓練にはもってこいの場所だった。
ユモトは方角を指し示す魔法陣を手のひらに出して歩き始める。
しかし、気は抜けない。
今も大きな蛾の様な魔物達がユモトに特攻を仕掛けてきた。
ユモトは右手を前に出して魔法の防御壁を出し、それを受け止め、そのまま雷と氷柱を出して蛾を感電させ、串刺しにした。




