訳ありの子 3
「おかえりお父さん」
そのやせ細った体は触れたら壊れてしまいそうな印象を与えてきた。寝間着は少しはだけて胸元が見えている。
「こ、こんばんは俺はムツヤっていいます」
モモとは違った可愛らしさにムツヤは緊張して自己紹介するが顔はニヤけていた。それを見ていたモモは少しムッとする。
「私はムツヤ殿の従者のモモだ」
「ムツヤさん、モモさんはじめまして。ユモトです。横になったままですみません」
そう言ってニッコリと笑うユモトの顔はまるで花が咲いたように明るいものだった。
「ゴホッゴホッすみません、咳が止まらなくて」
ユモトは落ち込んだ顔をして申し訳なさそうに言う。
「ユモト悪い、ユーカの実は1つしか見つからなかった」
「ありがとう父さん、皆さんもありがとうございますね」
笑顔を作りながらもユモトはだいぶ苦しそうだった、目の前で苦しむユモトを見てムツヤはある事を決める。
「あのー、もしがしたらこの薬が効くかもしれません」
「ムツヤ殿!?」
ムツヤが塔の中で拾った薬を使おうとしていることをモモは察した。
止めようかとも思ったが、自分の妹も薬で助けられた事もあって何も言えなくなった。
後はムツヤの判断に任せるだけだ。
「これはえーっと、そうだ! 俺の親の形見でどんな病気も治る薬らしいです」
サズァンからの入れ知恵をふと思い出してムツヤが言うと、ユモトもゴラテも目を丸くして驚く。
「ムツヤさん、お気持ちはありがたいのですがそんな大切なものは頂けません」
ゆっくりと上半身を起こしユモトは言ったが、しかしゴラテは別の考えを持っていた。
「ムツヤ! お前それは本当なのか?」
「えぇ、まぁ」
効果は自分で実験済みだった。どんな毒も病気も治る青い薬、それをカバンから取り出す。
「頼む、譲ってくれ! 金でも何でも用意する!」
藁にもすがる思いでゴラテは頼み込む。もうどんな僅かな可能性にも賭けてみたかったのだ。




