冒険者になろう 6
ムツヤがそう言った後、少し騒がしかったフロントは静まり返る。
少し考えてモモは理解した、きっとムツヤ殿は自分の家に泊めた時の事を言っているのだと。
しかし、あまりにも言葉が足りなすぎる。沈黙を破ったのはグネばあさんの笑い声だった。
「ひゃっはっはっは、何だいそういう事かい。それならセミダブルベッドの部屋でいいね?」
「ち、ちが、ムツヤ殿とは」
「良いじゃないか、平等宣言されたんだから恋愛だって自由さ」
グネばあさんはうんうんと一人で納得してそう言う。
モモはどこから何を説明すれば良いのかパニックを起こして心臓の鼓動が高鳴りすぎて気絶しそうだ。
ムツヤは何が起こっているのか全く分からない様でアホ面で取り残されている。
「良いかい、汚すんじゃないよ?」
ニヤリと笑ってそう言うとグネばあさんはよっこらせと立つ、そしてシワシワの手で握った鍵を台の上にコトリと置いた。
「だ、だから、ムツヤ殿が言っているのはそういう変な意味ではなく私の家に招待した時の」
しまったとモモは思う、まるで泥にハマった時の様にもがけばもがくほど勘違いは深くなっていくみたいだ。
「モモちゃん、他のお客もいるんだ。わたしゃそういう話は嫌いじゃないが後でゆっくり聞かせてもらうよ」




