冒険者になろう 4
料理が届くまでの待ち遠しい時間を感じる間もなくサズァンが現れて、そして消えた。
それから間もなく二人のもとにペペカグというパスタが届いた。
食欲をそそるニンニクとオリーブオイルの香ばしくいい香りとパスタの中に見え隠れしているエビとイカ。
「これがペペカグですかー、それじゃいただきます」
「いただきます」
二人は同じ挨拶をした。そこにモモは疑問を感じる。
食事の作法は神を信じる者か、食材の命に感謝をする自然崇拝者で大きく別れており、前者は各々が信じる神に祈りを捧げ、後者は自分の為に犠牲になった命にいただきますと言う。
オークは自然と共に生きる事を良しとするので、自ずと自然崇拝者になるが、ムツヤは邪神だが神であるサズァンの庇護下に居るようなものなのでサズァンに祈りを捧げるものだと思っていたからだ。
当時は疑問に思わなかったが、よく思い返すとモモの家で食事を振る舞った時も同じだった。
しかし、深く聞いてもあのムツヤ殿とサズァン様の思考なんて自分には理解できないし、想像するだけ無駄なのだろうと、フォークを手にとってパスタに挿し、くるくると巻き付けた。ムツヤもモモのそれを見て真似をする。
ムツヤは見よう見まねで食べた、にんにくとオリーブオイルの風味は今まで味わったことのない感じで、少し辛味がある。
フォークの先に刺さっていた白い奴、エビは知っているのでこれはイカだろう。これも不思議な歯ごたえの中にほのかな甘みがあった。
「モモさん、これメッチャ美味いですね!」
上機嫌なムツヤを見てモモはホッとする、やっと機嫌を治してくれたらしい。モモは笑顔でそうですねと相づちをして食べていた。




