はじめての武器屋 14
ムツヤはドキリとし、流石にモモも冷や汗をかいた。
モモは今の情報を元に、適当な作り話をして古物商にでも売り渡そうかと考えていたので、突然のことに思考が停止する。
ムツヤは別に後ろめたい事は無かったが、拾ったという事を当てられて言葉が出てこなくなった。
「お、俺はその剣を売っで鎧とが剣とが、冒険者の必要なものを買っで! 冒険者になりたいんです!」
ムツヤは本心を話してみる、するとふーんとギルスは言った後に続ける。
「まー家庭の事情ってそれぞれだから深くは言わないけどさ、俺は金にさえなれば何でも良いからね。君にはだいぶ不利だけどこの剣3万バレシ……」
そこまで言って一旦ギルスは言葉を止めた。
「だけじゃ流石に俺も『大通りの肥溜め以下の悪徳商人』みたいになっちまうから、金とは別にこの店の好きな剣と防具をどれでも一つずつプレゼントでどうだい?」
「あ、ありがとうございます!」
ムツヤはパァーッと笑顔になって感謝の言葉を口にし、やっとギルスはタバコを味わうことが出来た。
「いやいや、むしろお礼を言うのはこっちの方なんだけどね…… お金の準備をしておくから適当に選んでてよ」
厳重に鎖で繋がれている剣、壁に立てかけられている剣、色々な形の剣があったが、ムツヤは木箱の中に適当に入れられた何本かの剣に注目する。
見つけた途端大声を上げそうになるが、自制し小声でモモに話しかけた。
「モモさんモモさん、これ塔の中にあるやづですよ! 斬ると炎が出てくるやつ!」
確かに先程までムツヤが腰に下げていた剣にそっくりだ、使っている所は見たことがなかったが。
だがそんな貴重なそんな物が1本3000バレシで投げ売りされているはずが無いことだけはわかった。
「多分それはよく似た別物でしょう、それよりどうせでしたら値の張る良い武器を」
モモの言葉を完全に無視してムツヤは見覚えのある武器を手に取っているのを見てあぁ、絶対に「これが良い」って言うんだろうなと察しが付く。
仕方がないから鎧だけでも何か良い物を見繕うことにする。




