はじめての武器屋 13
旅の疲れからか、ムツヤがウトウトし始めた頃に大きなひと仕事を終えたとばかりにギルスは二人に声を掛けた。
「お待たせーお二人さん、いやー時間掛かっちゃったよ、流石にこれは。回りくどいことは嫌いだからハッキリ言わせてもらうけど、今の俺の持ち合わせじゃ買い取りが出来ないな」
一瞬モモは驚いて目を丸くしたが、ムツヤの持ち物だと思えば納得もいく。
「なるほど、素人目にも業物だとは思ったが」
「本当ですかギルスさん!?」
ムツヤも驚いていた、あれって塔の1階に毎回2本3本は落ちてるから最近は見向きもしなかった剣だったのにと。
「あぁ、これは武器としての価値はもちろんあるが、どちらかと言うと骨董品としての価値があるね~」
続けてギルスは言う。
「今から200年前のパン・トーテ戦争時にこの国の部隊長が持っていた剣だね。ってことは君のご先祖さんはパン・トーテ戦争に参加してたのかもね」
剣の由来までギルスは解説を入れてくれた、あの剣にそんな歴史があった事をムツヤはもちろん知らなかった。
「まーそれほど珍しい剣じゃないけどこれは保存状態も良いからウチで買うなら80000バレシかなぁ。前もって言ってくれれば金は用意しておくんだけど平日じゃそこまで現ナマ置いとかないからなーウチは」
「8万バレシ!?」
安物の剣でも売値が3000バレシ程度だとするとかなりの高値だ。予想以上の値段にモモは驚きの声を上げる。
「どうしてもって言うなら今の俺の手持ちで買ってもいいけど3万バレシが限界かなー。鑑定料は初回サービスでまけておくから古物商に持って行ったほうが良いよー」
そう言ってギルスはコーヒをすすり、タバコのパイプに草を詰め終えていた。
「それでも良いです、買って下さい」
オイルライターを持つギルスの手がピタリと止まり、そして顔を動かさないで目線だけをパイプの先からムツヤへ向ける。
「それ、親の形見なんだろう? そんなに安売りして良いのかい? まるでその辺で拾ったみたいにさ」




