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裏庭が裏ダンジョンでした@完結  作者: まっど↑きみはる
悲劇の勇者

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悲劇の勇者 2

 アシノの頭には疑問符が浮かんだ、この女神様は何を言っているのだろうと。


「ですからあなたの能力は『ビンのフタをスッポーンと飛ばす能力』です」


 心臓の鼓動が早まり、アシノはくらくらとした。女神様が何を言っているのか理解ができない。理解したくない。


「授かる能力は選べない上に半分の確率でクソみたいな能力になると説明したではないですか」


「い、いえ、ですが、これはあんまりにも…… そうだ! もう一回、もう一回新たな能力を……」


 アシノは女神にすがりついて言うも、目を伏せて首を横に振られてしまう。


「私から能力を授けられるのは一度きりです」


「い、いや、流石にこのシチュエーションで半分の確率のクソみたいな能力って、それはないじゃないですか!」


「さぁ、行きなさい勇者よ!! 魔人を倒し、平和を取り戻すのです!」


「行きなさいじゃなくて、ってちょっとまっ」


 アシノは白い光りに包まれて何も見えなくなる。気が付くと塔の外に放り出されていた。


「アシノ!! 戻ったのか!?」


「アシノさん、大丈夫ですか!?」


 仲間の皆がアシノの元に集まる。アシノは放心したままに言った。


「大丈夫じゃない、全ての能力と引き換えにとんでもない能力になっちゃった」


 アシノは脱力したまま立つこともできなかった。そしてここから悲劇の勇者と呼ばれる勘違いが始まる。


「とんでもない能力って言うと?」


 仲間の女剣士はアシノに聞いてみた。はははとアシノは虚ろな表情のまま笑う。


「使えない能力……」


 魔法使いの男が頭を捻らせて、ハッと気付いてアシノに声をかける。


「心中お察しします。アシノさん」


 心が折れてしまったアシノは泣きそうになる、魔法使いはしゃがみこんでアシノと目を合わせて話した。


「使えなくてとんでもない能力というのは、世界の理を変えてしまうほど強力な能力って事ですね」


「え、いや……」


「そうだったのか、強力すぎて使えない力を……」


 この勘違いをニヤニヤと眺めている男がいた。ムツヤのカバンを奪った男、ウートゴだ。彼は東洋のアサシンで相手の持つ能力を見破る力を持っている。


「その通りだ、アシノの力は無駄に使えば世界を滅ぼしかねない」

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