むかしばなし 3
ヨーリィとマヨイギが出会って半年は立った頃。相変わらずマヨイギは森に居座り、生贄として出された少女は食べられずにいる。
ヨーリィはマヨイギの木の下に座ったり、森をチョロチョロと散策してみたり。マヨイギは動物を魔法の罠にかけて狩りをしていた。
怪物と奴隷は穏やかな日々を過ごしていたが、止まない雨も無いように、永遠に続くのどかな日々も存在しないのかもしれない。
今でも覚えている。暖かな日差しのある日、ヨーリィの腹には穴が空いた。
「後は本体の怪物だけだ!」
それをしたのは、マヨイギを討伐しに来た冒険者達だった。
後で知った話だが、冒険者達はマヨイギがヨーリィを食べていないということは、洗脳の魔法で眷属にさせられたと考えていたようだ。
マヨイギは初めて自分以外の存在が傷付けられて怒りを覚えた。
「皆殺しにしやる、お前達も村の人間どもも!!」
冒険者たちをつるで絞め殺し、杭を心臓に打ち付け、風の魔法で顔を吹き飛ばし殺す。
そのまま村へと下り、男や女や子供関係なく衝動に導かれるまま全員をありとあらゆる方法で殺した。
こんな奴らがヨーリィを苦しめ、挙句の果てには殺したのかと思うとどうしようもないドス黒い感情が渦巻いてしまう。
マヨイギは全員の亡骸を土の上に置いて養分と魔力を吸い上げ、たった1人の半死半生の少女の為に魔法を使う準備をした。
「っ、ああああ!!!!」
薬になる自分の腹わたも切り取り少女の風穴にねじ込み、そして魔法を使う。
結果から言えば少女は生き返ったが、代償として感情が希薄になってしまった。ヨーリィは動く、動くが、生きているかと言われれば答えられない。
昔のような笑顔を見せることが無くなってしまい、定期的に魔力を注入しないと体が枯れ葉になり散り去ってしまう体になった。




