40頁目 商業の町グリビと魔石灯:後編
前回のあらすじ。
ついに人生初の外国。最初の町へ到着しウキウキワクワク?
後編になります。しょこまん次回の投稿は明後日になります。
当たり前に存在していますが、地味にすごい便利アイテム登場。
光量さえ目を瞑れば、多分永遠に使えます。多分というのは、そこのところよく考えていないからです。
ジスト王国を出国して隣国のエメリナ王国へ入り、早速商業の町グリビにて宿を取って休むことにした。
しかし、睡眠をあまり必要としない種族であるので、寝台で横になって目を閉じても眠気は来ない。仮に眠りに落ちたとしても、完全に熟睡する訳ではない。ちょっとした異変にもすぐに立ち回れるように冒険者は気を張っていないといけないのだ。パーティならそうでもないのだろうが、あいにく私は単独行動だ。となると自分の身を守るには自分が対応するしかない。宿の中だとしても同じである。
「絶対の安心はないからね……」
軽く目を閉じ、浅い眠りを繰り返しながらゆっくりと時間が過ぎるのを感じる。
すると、何回目かの意識の浮上で、外が明るくなってきていることに気付く。とはいえ、まだ日は出ておらず、朝というよりまだまだ夜という時間だ。日の出前なので、日付はまだ変わっていない。この世界では朝に日付が変わるので、今はまだ七月一日で、もう後少しで二日になる。
この部屋から見える空も周りの建物に遮られていて一部しか見えないが、日本の都会と違って、夜はちゃんと暗いので、歪な形をした空だが星はちゃんと綺麗に見える。
「暇ね」
目を覚ましたからと、すぐに行動する訳ではない。まだ地平線の向こう側から太陽が顔を出す前と思われるこの空の微妙なグラデーション。この時間帯はまだ皆就寝中であることが多い。飲食業などは朝の仕込みがあるので、既に活動しているだろうが、開店時間まではまだまだ掛かるはずだ。
ここの宿屋も例外ではない。下で忙しなく人が行き来している様子が気配と、エルフ自慢の聴力で何となく感じ取れる。
ただし不快な雑音ではない。キッチンで母親が朝ご飯を作る包丁とまな板がぶつかる音や、トースターでパンの焼き上がりを報せる音、フライパンで何かを炒めている音もあるかもしれない。それらが入り混じって微睡みの中を漂う人を二度寝へと誘い込む。そんな感じの音だ。
「流石に二度寝はしないけどね」
短い時間であったが、十分な睡眠を取れた私は気力も体力も問題ない。今すぐ怪物の討伐に出掛けたとしてもしっかりと結果を残せるだろうと思われる。
窓辺へと立ち、木枠にガラスがはめ込まれた窓の取っ手を握ると、ゆっくりと開けて外の空気を取り込む。その際に小さく軋むのもこの宿の年季を感じられて、耳心地が良い。
七月。暦の上では乾季になるが、季節の表し方は国によって違う。
少なくとも共通リトシ語が通じるこのリトシ圏内でなら、暖季、暑季、乾季、寒季と四つに分けられ、間に雨季(雨期)が交じるなどの季節の変化がある。これが他の国でも同じなのかは分からない。中には季節を大きく二つに分けているだけという所もあれば、五つも六つも細分化している場合があるかもしれない。
近隣諸国の簡単な事情なら書籍や掲示板などである程度分かるが、それよりも遠くともなると余程の物好きでもない限り交流はないので、ほとんど情報が入らない状態である。
「私はその物好きに含まれるのかな?」
海路による貿易も行っているエメリナ王国なら、もう少し広く世界のことが分かるのかもしれない。ますます王都へ行くのが楽しみになってきた。
早朝だからか、まだ空気に熱はそれ程含まれていないが、今日の天気も晴れ。日が昇ればそれに合わせて昨日と同様に気温も上がってくるだろう。
ただ、ここはタルタ荒野と違って草原に囲まれた地帯なので、その上昇量もそこそこ落ち着くのではないかと思う。気象予報士ではないが、自分達で天気を予想して行動しなければ、農業も漁業も工業だって出来ない世界だ。ある程度の空読みくらいは習得している。
「そろそろかな」
ぼんやりと考えていると空はすっかりと明るくなっており、先程起きた時に見た濃い藍色が混じったような色ではなく、透き通る青に白が混じるような、そんなグラデーションとなっていた。
その頃には、他の部屋の宿泊者も起きてきて、準備をする音が聞こえる。
値段はともかく個室でと頼んだ手前、文句は言えないが流石に防音対策されなさ過ぎじゃないかと呆れる。
私も、いつまでもインナー姿のままでいる訳にはいかないので、いつもの服に袖を通していく。
「あ、肌着……洗濯どうしようかな」
レガリヴェリアを出発してから、インナーを交換していない。交換しても洗濯する場所がないのだからとそのままでいたが、そういえば、他のパーティの人達は交代で馬車の中で着替えをしていたような気がする。私はその頃ずっと幌の上で見張りをしていたので、気にも止めていなかった。
「うーん……でも今日出発したいからなー」
これから洗ったとしても、どこに干すのか。まさか湿った状態で仕舞う訳にはいかないし、ましてや旗みたいに掲げて歩くことも出来ないし、したくない。この世界に来て種族の風習にとっぷりと浸かり、割と羞恥心というものを脱ぎ去ってしまって女子力株の下落が止まらない状態の私でさえも、その程度の恥というのは認識している。
少し考えるが、すぐに結論が出た。
「よし、着替えずにこのままでいよう」
結局、女子力の株価は減少の一途を辿るらしい。
本来ならもう一泊して、洗って夜の間に部屋で干すなどするのだろうが、その為にわざわざこの町に留まる必要もない。
確かに二つの王都を結ぶ中間地点として発展しており、その町並みはミラノやフィレンツェ程の派手さや煌びやかさ、迫力はないが、石造りの建物群を見ていると、そう感じられる雰囲気を醸し出している。もう何泊かして隅から隅まで見て回るのも悪くはないが、今の私はすごく海が見たいのだ。
支度を終えて荷物を持って下に降りる。まだ人はあまり集まっていないようで、一階の食堂は結構空いていて自由に座れそうだ。
「ご注文は?」
適当な場所に腰を下ろしたところで、給仕の人間族の妙齢の女性が笑顔で応対してくれる。
「えぇと、それじゃあ、野菜炒め定食と水一杯でお願いします」
「野菜炒め定食一つ水一つですね。少々お待ち下さい」
それから間もなくして、先に水の入ったガラスのコップがテーブルに置かれる。
何の変哲もない普通の水だ。しかし、ちゃんとした浄水システムもそれを供給する為の水道もほぼ普及していないこの世界では、この清潔な水を飲めるというだけでもありがたい。生水は、一見綺麗なようで目に見えない細菌などがいることがあり、それを滅菌、消毒する為に煮沸するなどして飲める水とされる。
私も飲むとしたら基本浄水なのだが、元々エルフ族は原始人のような狩猟民族だ。生水どころか多少濁っていても問題なく飲める。
体内を循環する魔力による自浄作用によって、無害となるからだ。
体内へ取り込む悪い物も、そして体内で生み出される排泄物などもその循環の中で分解され、最終的にほんのわずかな残りカスとして体外へ排出される。その頻度がおおよそ一、二週間の間隔であるが、概ね問題ない。それだけ循環が行き届いているという証拠だ。しかし流石に一ヶ月はないので、その際は普通の人と同じように薬などによって外に出す必要がある。
私も一応ハーフとはいえ、エルフ族であるので濁った水、下手したら泥水だって啜れるのだが、あいにくと前世が日本人であり、蛇口を捻れば常に清潔な水がいくらでも飲めるという環境で過ごしてきた感覚が抜けきらないことで、飲めなくはないが出来れば浄水が飲みたいと多少お金を出してでも買うようにしている。
これでもこの世界で一〇〇年以上暮らしているし、子供の頃は普通に生水や雨水を飲んで暮らしていたので今更ではあるのだが、子供の頃は大丈夫でも大人になると虫が触れなくなる。そんな感覚だと思えば良いだろうか。一応生まれてからずっと、精神だけは大人ではあったが、あの頃は特に気にもせず飲んでいたと思う。
町中で水を飲む時は買うことが多いが、町を一歩出ると水を売っている所などない。よって、我慢して生水を飲んでいる。
常に純水が生み出せる水魔法や、煮沸などの熱殺菌が出来る炎魔法が使えたらと思わなくもない。その代わりに雷魔法でせめてもの抵抗として、微量の電流を流してそれっぽく殺菌した風を装って飲んでいる。
電解水の仕組みなど分からないし、どうせ余程の強い毒液でなければ体調を崩すことも死ぬこともないのだ。あくまで気分の問題なので、いずれ慣れるはずだ。人間とは慣れる生き物だ。私エルフだけど中身は人間なので、きっと慣れるはずだ。
「お待たせしました。野菜炒め定食です」
「ありがとうございます」
「では、先程の水を合わせまして五ドタ戴きます」
慌てて懐から財布を取り出す。
「あ、はい。分かりました。えぇと、トルマで良いですか?」
「大丈夫ですよ。はい、確かに丁度戴きました。ごゆっくりどうぞ」
お金を受け取った彼女は、こちらにウィンクをして去って行った。
ジストでは、会計は全ての飲食が終わってから支払う。支払い場所はその場か、会計所かはバラバラだが基本システムは同じだ。しかし、ここは既に国境を越えた外国、エメリナだ。となると支払いシステムも違うのか、料理が来た段階で支払うようだ。
食い逃げ防止の為だろうか。
通貨の単位に関してだが、先程のやり取りでも分かる通りジスト王国共通通貨で問題ない。ギルドで両替の話をしたが、ジストの通貨もエメリナの通貨も同じ価値として扱っているとのことで、そのまま両替せずに持ってきた。
金や銀の産出地であるジストと、これといった鉱山のないはずのエメリナが、何故同等の通貨価値を持っているのか。その答えとなるのが、この目の前に置かれた野菜炒めにも使われているアレだ。というか人が生きる上で欠かすことの出来ない……塩だ。
内陸の国であるジストは、塩を手にすることが難しい。
多少は岩塩の層があるのでそこから供給出来るが、ジスト全体の人口と加工、輸送を考えたらとてもじゃないが賄いきれない。そこで海と面しており、塩作りも盛んなエメリナに金や銀を大量に輸出して、その代わりとして塩を輸入。
もちろん塩だけでなく他にも海洋資源などがあるが、やはり塩の占める割合が圧倒的に大きい。そうして金銀銅の価値を意図的か偶発的かは国のトップ同士の決め事なので不明だが、通貨が共通した価値を生み、取引も円滑に行われている。
それもあってか、先程の野菜炒め定食も水と合わせて五トルマ、こちらの通貨で言うなら五ドタと、ジストで定食を注文した時と同じくらいの値段で設定されている。他のメニューを見ても、産地の違いから来る値段の前後はあっても、大きく違うこともないようだ。もちろん、宿泊費もそう変わらないと思う。とはいえ、こちらはピンキリなので何とも言えないが。
「今日もお恵みをありがとうございます。この糧をこの身、この心に刻ませて頂きます」
いつもの食前の祈りを捧げて木のフォークを手に取る。
「うん、美味しいです」
思わず声に出てしまったが、小さく呟いたしこの賑わいの中なので誰の耳にも入っていないようで良かった。
野菜炒めは、キャベツはシャキシャキ、ニンジンも中までしっかり熱が通っていて柔らかく、ニンジン特有の匂いも感じない。香辛料による匂いの誤魔化しではないようなので、どうやっているのかは分からない。
主食は米ではなくパン。こちらの世界の主食といえばパンなので、定食でも定番はパンなのだが、何故か丼物とかもある世界なので、定食といえば米とする国や店舗もあるのかもしれない。
「頂きました」
食事を終えて宿を出ると、町中は結構騒がしさを見せていた。
「まずは……道具屋かな」
本日の予定は、ずっと買うか悩んでいた魔石灯を買うこと。手持ちサイズのランプと同じくらいの大きさで、手頃な値段の物があれば良いが果たしてあるだろうか。
決断がもう少し早ければ、産出地であるジストでもう少し安く手に入れることが出来たかもしれないが、今となっては後の祭りだ。後悔しても仕方ないので、気を取り直して買うことを決める。
「こっちかな?」
建物や町並みの雰囲気こそジストに似ているが、そこはやはり初めて訪れた土地であるだけに土地勘などあるはずもなく、ただ当てずっぽうで歩き始める。一応、昨日ギルドからこの宿に来るまでの道中には、それらしい店はなかったはずなので、とりあえず逆方向へ進めば何かあるかもしれないという根拠に基づいた直感である。
それからは、町中を彷徨いながらあっちへふらふら、こっちへふらふらと歩き、結局目当ての道具屋を見つけることは叶わず、諦めて偶々近くを歩いていた人に声を掛けて案内してもらったのであった。
意外と近い場所にあったので、私の直感も捨てた物ではないと自己満足に浸るが、結局のところ、自力で辿り着けていないことは内緒である。
扉を開けると、カランカランとベルの音がして入店を報せる。
「いらっしゃいませ」
すぐに、店員であろう中年の猫型獣人の男性が現れた。店員は、私を見て驚いたような顔をするが、すぐに接客用の笑顔を取り戻して対応してくる。話をしながらも、チラチラと私の耳に目が行くのは見逃さない。というかそれだけ何度も見られていては、流石に気付くというか逆に気になってしまう。
用件を伝えると「少々お待ち下さい」と店の奥へ引っ込み、すぐに木箱を抱えて戻ってきた。
「それは?」
「魔石灯ですや。一応中身の確認を願います」
そう言って箱を開けると、中には確かに注文通りのランタン型の魔石灯が収まっていた。
物を手にとって何度か点灯と消灯を繰り返し、光量や光色、魔力効率などを見ていく。大きさ、軽さは問題ない。その他の部分も特に気になる点もない。となると、最後に確認すべきは……
「おいくらですか?」
「おう、えぇと二ラギスでどうだ」
ラギスとは、エメリナの通貨単位の一つで金貨のことを指す。ジストではロカンと呼び、価値は同等の扱いである。ちなみに銀貨はエメリナではピッコ、ジストではキユで、こちらも価値は変わらない。
一ラギスが一ロカンと同じということは、大体一ロカン当たり二七〇〇〇円であるので、二ラギスということはその倍、五四〇〇〇円ということか。高額だ。
前世でのアウトドアキャンプ用のランタンの相場は、もちろんピンキリあるが、ちょっと良い物を想定した場合おおよそ二〇〇〇〇円前後と見ると確かに高いが、燃料が自前の魔力のみとなるとその三〇〇〇〇円以上の差も大したことないように感じる。
前世ではアウトドア経験はなかったはずなので、安いランタンの性能などは分からない。
こちらの世界のランプ、ランタンの相場は大体三キユ以下。つまり五〇〇〇円を下回るので、魔石灯がどれだけ高いか分かるだろう。しかし、恐らく適正価格だと思われる。仮にジストで買えばもう少し値段は下がるはずだが、輸送費などを入れるとこのくらいになるのは仕方ない。
ここで下手に交渉に出て不評を買うこともない。私が総合的に見て適正だと判断したので問題ない。機能に関しては先程しっかり検分させてもらったので、紛い物ということもないし、ぼったくりの可能性はないと言える。
「では、これを一つお願いします」
「まいどありー」
「あ、ジスト通貨でも良いですか?」
「構いませんぜ」
取引が成立した私は、意気揚々と店を出て、元来た道を戻って宿へ向かうのであった。
【国】
ジスト王国
【集落】
王都レガリヴェリア
【種族】
人間族と獣人族が全体の七割以上を占め、残り三割弱をドワーフ族やその他の亜人族が暮らしている
【土地】
ジスト王国の王都。
ほぼ国の中心に位置しており、西部には国土の三割以上を占めるタルタ荒野が、東部にはシジスセ草原が広がり、エメリナ王国の商業の町グリビへと繋がるシジスセ街道が通っている
北部に数日進むと北の隣国ライヒ王国との間にそびえる巨大な壁、ウェル山脈が横たわっている。標高高く、また通行も困難である為にほとんど交流はなく、彼の国の情報は北西の隣国ベベリー王国経由か、東部の隣国エメリナ王国経由でなければ入手が難しい
南部に少し進むと炭鉱があり、犯罪奴隷などがここで石炭堀に従事している
【気候】
暖季、暑季、乾季、寒季の四季があり、暖季と暑季の間には雨期がある
【言語】
共通リトシ語
【通貨】
ジスト王国共通通貨
【人口】
おおよそ一〇〇〇〇〇人弱かそれ以上
【宗教】
イパタ教
町の中心から少し外れた所にこの国で最大級の教会堂、イパタ教会がある。この他にも五カ所に規模は比較すると小さいものの教会が置かれている
【食べ物】
内陸の国である為に海産物の自国供給は出来ないが、隣国エメリナ王国からの輸入によって、多少値段はするがある程度一般にも食べられる程度には流通している
主食はパンなどの小麦製品
名物は、牛肉や豚肉を使った料理
魚料理は保存用に加工されて輸入される関係上、生で提供されることは滅多になく、生の海の魚をご所望の場合は超高級料理店に行く必要がある。もしくはエメリナ王国へ直接訪れるのが最も安上がりかもしれない。一般的には揚げ物や焼き魚が提供される
【産業】
鉱石の町ルックカを経由してカヨレハギユ山脈産の鉱石や、タルタ荒野に点々とする小規模の村々との交易により、多くの鉱石や宝石が集結する
ルックカで加工された鉱石などの素材や、ギルドに多く在籍する冒険者の活躍によって得られる怪物の素材が多く集まることで、それを用いた鍛冶屋や製鉄所、加工場などの産業が発展している
しかし、材料の輸送費などの関係上、一部の加工品はルックカで直接仕入れる方が安上がりであることから、冒険者などは装備を揃えるべく、まずルックカを目指すことも少なくない
鉱石などの加工技術は実用品だけに留まらず、数多くの芸術品などにも用いられており、それが後述する芸術祭で大きく取り上げられる
ジスト王国の、特にレガリヴェリアで作られた細工物は非常に細かく丁寧に作られていることから、他国の貴族などの上流階級にも人気のある品である
【政治】
町の中心に巨大な城があり、そこで国王が政治を取り仕切っている
初代ジスト王の正統な血筋であれば、性別や種族問わずに王となる機会がある為、時折派閥争いがあるという噂を聞く
その後継者制度により、嫡子であろうとも必ずしも国王になれるとは限らないことが、この問題に拍車を掛けているとされているが、一方でこの制度のおかげで一度も血を絶やすことなく国を発展に導いてきたとの声もあり、現在でも賛否両論となっている
【文化】
年に一回、寒季に各鍛冶屋が一本の剣を打ちその出来映えで、その年の鍛冶屋のランクを決める品評会『打ち納めの儀』がある
毎月最終週の祈曜日にはイパタ教会で『祈りの儀』があり、その日は多くの店舗が休日、もしくは半休となって、教会で今月も無事過ごすことが出来たことを感謝する祈りが捧げられる
毎年六月二九日の祈曜日にはバレパレス芸術祭が開かれ、国内外問わず多くの観光客や商人で賑わう大規模な祭りとなる。祭りの日は二九日と定められているが、実際はその一週間前の二三日から非公式ながらも黙認という形で有志によって前日祭が開かれる。よって、早ければ一九日には町の各地で準備が始まり賑わいを見せる
古来には収穫祭という名目で祭りが行われていたそうだが、決まった月日などなく、また収穫時期から外れる農作物も多かったことから、国や町を挙げての祭りという訳ではなく、各農村やそれに関係する商人が細々と行う程度の祭りであったと文献に記されている。しかし、それを現在のバレパレス芸術祭へと姿形を変えた切っ掛けが、当時ジスト国王であったバレパレス王の発言だったとされる
芸術愛好家であった当時の国王は、収穫祭のあった六月二九日を芸術祭と改め、多くの芸術品を収拾するようになったとされる。しかしここからレガリヴェリアの芸術品の技術は急速に向上し、他国からも買い付けが来る程の一大産業となるまでに至った
【特徴・習慣】
加工技術に長けた職人が多い為、武器や防具だけでなく多くの雑貨屋や芸術品を取り扱う販売店が数多く軒を連ねる
都市を囲う城壁の形がほぼ正確な四角形であることから、町の形からして美しいという声もある




