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AM9:05 飛行場爆発現場
「・・・な、何だこれは」
そこには凄絶な光景が広がっていた。
爆発は滑走路と一部ではあるが戦闘機が収納された倉庫にまで及んでいた。
地面には穴が開きそこを中心にヒビが入り、最早滑走路として機能しないであろうまでの被害。
そして。
「おい!大丈夫か!?」
「爆発に巻き込まれたのか!」
「早く救護班と医者を呼べ!」
そんな光景に華を添えるように・・・人々の体が転がっていた。
それも1や2でもなければ10、20という易しいものではない。
「地獄」と表するのが正しいとも思える惨状。
燃え盛る業火と転がる人々、水溜まりの如き溢れる血。
それも未だ止まることなく体内から流れ出ていた。
あまりに突然な出来事に誰も平静など保ってはいない。
「早く被害状況の確認を!!」
「・・・おい笠松・・・お前腕・・・」
あちらこちらに四肢を失くした隊員が絶叫を上げ、合わせるように悲鳴が上がる。
戦いを知らない者にとってこれはあまりにも強烈で過激であった。
「班長!これは」
「間違いなく我が国への攻撃だ。そして・・・敵国は・・・」
「フェルロンド帝国・・・」
「その通りだ・・・」
班長は遥か空を睨み上げて。
「高峰2尉・・・覚悟を決めるんだな」
その瞳をゆっくりと細めてー遠くこちらへ飛び来る小さな影と羽音を。
圭も班長と同じようにそれに気づいて。
「・・・なる、ほど。そういうことでしたか・・・。私が、俺がここに来た理由」
遠く空で二つの爆発が起こる。
圭のリンクが途絶し、二人の情報が途切れる。
「宮人・・・後は、頼んだぞ」
圭は班長に敬礼し、滑走路へ走る。
その背中に班長は座り込む隊員は立ち上がり見送る。
最後にニッと笑みを浮かべ空へ舞い上がるまで・・・。
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同日 AM10:24 東京成田空港前
「ここは・・・随分と暑いな・・・」
ギンギンと照り付ける太陽を見上げ、手で覆う。
黒いボストンバッグをもう一度抱え直してポケットから地図を取り出す。
"高峰宮人"は微笑して再び歩み始めた。
次回から本編開始です