格安ワケあり賃貸は異世界の入り口だった!?
ひょんなきっかけで子犬を飼うことになった主人公。妻と住んでいるのがペット不可の部屋だったため、急きょ格安のペット可物件を探すことに。予算のない中、唯一条件を満たすのが事故物件だという古い賃貸の一軒家だった。そこには不動産屋の間取り説明にはない謎の地下室が。。
迷宮は事故物件 第1話「犬を飼うには」
ある日突然、ペット可の物件を探さなければならなくなった。
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僕の妻は大の動物好きで、よくデートでペットショップめぐりをした。
しかし実際は都内でペットを飼うとなるとなかなか大変だ。
だからいつもお店に行って店頭で販売されている子犬や子猫を眺めては、
その可愛さに癒され、愛するペットのいる生活を妄想しては、
ショーウィンドウの前で二人でニヤニヤ。
結局何も買わずに店を後にするのが常だった。
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その日もいつものようにタダで可愛い動物たちを眺めようと、
二人でペットショップに出向いた。
バス停を降りると、待ちかねたように妻がペットショップに駆け入った。
ところが先に店に入った妻の様子がどうもおかしい。。。
ショーウィンドーの前に立ち尽くす妻の顔を見ると涙を流していた。
「ノンちゃんどうした?大丈夫か」
「この子、連れて帰るぅぅ。。。。」
ショーウィンドウの中には一匹のパグの子犬がいた。
右腕をケガしているようで包帯がぐるぐるに巻かれている。
薄っすら滲む血痕が痛々しかった。
体格のいい白いエプロンをした、店長とおぼしき人が声をかけてきた。
「この子、ブリーダーさんからの出荷輸送中に事故に合っちゃいましてね。
中央分離帯に乗り上げたトラックは横転し大炎上、運転手や他の犬も助からなかった中、なぜか生き延びたんですよ。腕のケガはその時の軽いヤケドなんですが、あれだけの大事故でよく助かったもんです。。。」
どうやらこの犬は奇跡的強運の持ち主らしい。
「この子犬くださいっ!!!」
さっきまで泣いていた妻が突然、意を決したように叫んだ。
「ノンちゃん、ちょっと待ってよ。いまこの子を飼うお金はないし、何よりウチはペット可の部屋じゃないから一緒に住めないよ。」
店長が目を細めながら言った。
「もしよかったらこの子、引き取ってもらえますか。お金は予防接種やそのほかの手続きの料金だけで結構ですから。事故のトラウマからか、ほかのお客さんには怯えて目も合わせなかったんですが、どうもあなたたちのことを気に入ったようだ。」
子犬は包帯をしたおぼつかない足でふらふらと立ち上がり、少し震えていたが大きくしっぽを振って満面の笑顔とパグ特有の大きな目で僕たちを見つめていた。
貴重なお時間お読みいただきありがとうございます。簡潔で読みやすい文章を心がけて参ります。




