心の詩
空に放った僕の声は
波にのまれて消え去った
「なんでそんな」と嘆いた声も
群れた鴉に喰い殺された
僕の隣に今あるものは
触れない空気と無気力と
獲物を狙う鮫ばかり
手元に少しの希望もあって
「僕は大丈夫」と呟いてみた
でも線路に散った先人たちは
波と鴉に耐えられなかった
「いつか終わる」で片づけられない
自縄自縛の足かせが
ずっと僕を縛っている
果たして彼らが悪いのだろうか
僕がいけなかったのだろうか
終わらない思考の迷宮に
牛の怪物は潜んでいる
僕の話を聞いてくれ
僕の話を聞いてくれ
言葉が波を切り裂くまで
言葉が鴉を穿つまで
僕の話を聞いてくれ
僕の話を聞いてくれ
言葉が鎖を断ち切るまで
言葉が怪物を消し去るまで
たった一人のあなたに言おう
僕の話を聞いてくれ