プロローグ
今、俺は魔法のある世界にいる。3歳になった今でも自分は痛い人間じゃないかと思ってる。何故こんなことを考えているかというと、3年前の生まれる前のことが原因である。
「はぁ〜疲れた」
俺は亡くなった爺ちゃんの道場で師範をしている。昔から習っていたから教えることはできるけど、仕事を辞めなければいけなかった。
「楽しいけど、収入が安定しないんだよね」
この日もいつものような愚痴をこぼしていたら外から悲鳴が聞こえてきた。
「ぎゃあぁぁぁあ」
「何だ!」
こんなすごい悲鳴聞いたことないぞ。
そんなことを思いながら駆けつけるとそこには、血を流した女性とナイフを片手に持った男性が立っていた。
「ここで何をしている⁈」
そう言葉を発しながら取り押えようと駆け出した。しかし、男はあまり抵抗せずすんなり拘束することが出来た。
その時にナイフも取り上げたのだが、抵抗せず武器もないと安心して油断してしまった。
「かはっ」
何だ!何が起きた!
痛みのある場所を見ると男が針のようなものを持っていた。
その時初めて男は口を開いた。
「その毒でゆっくりシネ」
その言葉を聞いてからゆっくりと意識が遠のくを感じていたら、白い空間に来ていた。
「あなたは死にました」
目の前の光っているもやから機械的な声が聞こえてきた。
「いきなりですね。それになんか雑すぎません、声もボイスロイドみたいだし。」
「ここ最近は悪意のある人間が増え死人も多いのですなので理不尽に殺された方は選択方式で今後を決めて貰います」
自分で好きなのを選べるのは喜ぶべきか、それとも短い人生だったのを悲しむべきか悩ましい。
「あなたが選べるのは転生か天国と地獄への就職かです」
転生はまぁわかるとして、就職かぁ。死んですぐに仕事とかヤダなぁー。これはもう転生一択でしょ
「転生でお願いします。」
「わかりました変更はありませんね」
「はい。大丈夫です」
「では良き転生を」
辺り一面が光ったと同時に目が覚めるような感覚があり目を見開いた。
「おかしいですねぇ、こんなにぱっちり目を開けてるのに泣きませんよ。」
あぁ転生したのか。それにしても生まれた先は外人さんの家か、馴染めるかな?とりあえず泣いとこ。
「まぁ。急に元気に泣きだしました。」
「泣き方がわからなかったんじゃないのか?君のように多分抜けているのだろう。」
「私はしっかりしています!失礼しちゃうわ。」
「まぁ、今日はもう疲れたろ、この子とゆっくり休みなさい。」
「えぇ。ありがとう。」
「では、何かあったらこの魔法のベルを鳴らしてすぐに私に知らせるのだぞ。」
「わかったわ。あなた。」
うん?魔法のベル?あれここ地球じゃないの?