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ポンコツAI、出会う Ⅰ
――ワタシは、鉄屑の中に埋もれていました。
大粒の雨が、容赦なくボディを打ち付けます。
でも、もう関係ありません。
ワタシは、寿命を迎えたのですから。
ドジでバカなワタシが、ここまで生きられた事が奇跡なんです。
未練はありません。
あるとすれば――
もう少しレモンパイが食べたかったなぁ……。
と、いうことくらいです。
甘い甘い、博士の作ったレモンパイ。
――胸の奥に、切なさと愛おしさが去来します。
大好きだったよ、レモンパイ。
ワタシの初恋は、レモンパイだった。
―—Fin、なのです。
私の物語は、たった300字で終わりました。
さようなら、レモンパイ。さようなら、オービタタウン。
世界には、神様はいませんでした。
乙女を無視する世界が、そこにはありました。
そのときでした。
(お~~い。スイ!戻ってこ~~い!……まだ終わっとらんぞ~~!)
天の上から、声がした。
※続く




