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第六話 早速私が噂になっていました

 その日の放課後──前日に言われていた通り、私とクロードは生徒会室へと足を運んでいた。

「あ、地味眼鏡くんと問題児ちゃん、さっそく来たんだね」

 出迎えたのは相変わらず軽い調子のリアム先輩だ。この人はからかうのが仕事なのだろうか。一応生徒会での役職は会計らしいけど。

「僕の名前はクロードです。あとマリアは別に問題児じゃありません」

「そうかなあ?もう噂になってるよ。教材である魔法道具の元素共鳴の箱庭を暴走させたって」

「あ、あれはなんというか偶然というか」

「わかってるよ。からかっただけじゃん」

 この人苦手だな。とほほ。相変わらず数字はマイナス。うーんやっぱりこの数字って好感度なのかな。

 私がそんな顔をしていると、クロードもすごくいやそうな顔をしている。わかるけど、クロードは顔に出しすぎなような気もする。


 ともかくあの魔法基礎学で私がやらかしたことは瞬く間に噂になっているらしい。すごい魔力だとか、光魔法を使っただとか。このことはさっそく会長と副会長であるアウレリアス先輩やシルヴァリアス先輩の耳にも届いているらしい。

 出会い頭で、二人には笑われ、アウレリアス先輩は「さすが俺の慧眼!」などと私を生徒会に入れたことを自分の手柄だと胸を張っていた。


 シルヴァリアス先輩が私とクロードにいろいろと生徒会役員としてのいろはを伝授してくれるらしい。会長はあくまで顔役。広報担当そして稟議での最後の決定権を持っているらしい。実務的なところは副会長が行うのが生徒会の伝統らしい。

「生徒会の役割として、行事の運営、他学校との交流、広告塔としてのはたらき、部活動予算の配分などある。今は生徒たちの日々の要望書の受付、採択がメインだな。いや、君たちには選定の儀があるな。参加者側だが」

「選定の儀って、選定の杖や魔鏡によって正式に魔力量、属性、そのほかの適性を測るんでしたか」

「さすがだ、クロード」

「それほどでもありません」

 謙遜するクロードに感心するシルヴァリアス先輩。こっちは相性はいいみたい。苦労人で几帳面そうな二人は比較的性格が似ている気もする。

 

 説明も済んだところで、じれったいと言わんばかりにアウレリアス先輩が割り込んでくる。

 どうやら、実務は説明ではなく実践で学べというスタンスらしい。

「説明は終わったか?それでは稟議を始めるぞ!」

 そう言って、皆が席に着くと、シルヴァリアス先輩が机の上に書類を置く。そこには要望書・提案書の束があった。それにみんなが目を通していく。私もほかの人に倣って、資料に目を落とした。

 部活動の予算分配に関しての異議申し立て、備品の交換、最新設備の実装などなど。結構量があるみたいだ。

 きちんと理由が書いてあるもの、そうではなく口だけのもの、さまざまだ。


「雑多なものが目に付く。ほとんどは却下だな」

「たしかに。備品の交換や追加については要検討ですが、予算配分については例年のものを参考にしつつ、部員の実情や活動内容にあわせて聞き取りを行っているようですし」

「予算については今言われてもどうしようもないよね」

 アウレリアス先輩、シルヴァリアス先輩、リアム先輩が意見を言っていく。私は内容を追いかけるので精いっぱいだった。

「備品については陳情だけでは様子がわからん──書記、それに雑用係!出番だぞ!」

「はい!」

 早速私とクロードの出番らしい。アウレリアス先輩直々の指名だ。

「いい返事だ」

 にっこりと青い瞳を細めて笑うアウレリアス先輩。その姿は以前街中で会って助けてくれた人物にそっくりだ。

 

 そう言えばあの時の人はしゃべり方や立ち振る舞いからシルヴァリアス先輩だと思っていたけど、実はそうでもないのだろうか。

 考え事をしていると、じっと見つめてしまっていたからか、アウレリアス先輩に「そう熱心に見られては穴が開いてしまいそうだな」と、言われてしまう。

「す、すみません。その、いつかあった人にアウレリアス先輩が似ているような気がして」

 タジタジしていると、リアム先輩が面白いことになりそうだと首を突っ込んでくる。

「へー、それって新手の口説き文句?」

「ちがいます!」

 そんな光景を見ていた、アウレリアス先輩の数字が上昇する。え、どういうことなんだろう。

 ともかくいい方向であることを願いたかった。

明日から21時更新にします。

よろしくおねがいします。

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