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第四話 生徒会雑用係に任命されました

「よく来たな。マリア・テレジア。それと予想通り、クロード・ヘンリックがついてきたな」

 くつくつと喉を鳴らしたアウレリアス先輩。

 この状況すべて仕組まれたことだったのを、私はようやく気づいた。


「まあいい。反省文を書かせるというのは呼び出すだけの口実だ。本題に入ろう──お前たちを生徒会役員として迎えたい」

「えっ」

 少女漫画的展開でよくあるやつじゃないこれ?乙女ゲーとかでも同じ展開よくあるんだろうか。わからないけど、嫌な予感だけはびしばしと伝わってくる。

 このままじゃ、攻略キャラに囲まれる運命。ヘタしたら、乙女ゲー主人公路線まっしぐらじゃないか。

 この世界が学ロマと全くの同一世界、同一展開が用意されているとは限らないけど、前世の友達の話では「下手うつとバッドエンド、悲恋エンドもあるからね。選択肢選びは気を付けないと」ということなので、気を付けるに越したことはない。

 それに最初から関りを持たなくていいなら、持ちたくないのだ。幼馴染であり、親同士が仲の良かったクロードは仕方ないとして。


「理由が必要か?」

「そ、それは当たり前です!……ね、クロード?」

「光栄ではありますが」

「理由が必要というなら、愚鈍なお前たちに授けてやろう。『俺が決めた!』、からだ」


 がははと胸を張って笑うアウレリアス先輩、いやここは殿下さすがです、と言ったところだろうか。

 リアム先輩は苦笑いし、シルヴァリアス先輩はため息をついている。いつもこの勝手さに付き合わされているのだろうか。心中お察しする。


「きょ、拒否権はありませんか?」

「あるわけないだろう。答えははいのみだ」

「は、はい……」

 クロードと私はしぶしぶ、いや無理やり生徒会に入ることになった。

 

「それでは役職だが、」

 こほんと咳払いしたシルヴァリアス先輩は会長であるアウレリアス先輩の代わりに私たちに告げた。

「クロード・ヘンリックはいま空いている席である書記に、マリア・テレジアは──雑用係に任命する」

「ざ、雑用係?」

 いかにもとってつけたような役職に私もさすがにそれはだめではと思う。

 対外的に置く意味について問われても困るし、別に書記だけでいいのではと言われても仕方ない。


「こんなふざけたことになっているが、君たち二人が生徒会入りするにはきちんと理由はある。安心しろ。ただ、君が雑用係なのは会長が言い出したことだが」

「あの、雑用係って何をすればいいんでしょうか」

 私に近づいてきて圧をかけてくるリアム先輩。

「そりゃあ、俺たちの言われるがまま。あんなことやそんなこととか?」

「あんなことやそんなこと?」

 私が首を傾げてぽけっとしていると、クロードが私の前に出て、リアム先輩と対峙する。


「マリアに変なこと吹き込まないでくれますか?」

「俺はただ、片付けや資料整理のことなんかを言っただけなのに」

 そう言って、リアム先輩は的な笑みを浮かべ、クロードはむっと眉毛を吊り上げる。

 この雰囲気、たしかにクロードはリアム先輩のようなちょっと軽い感じの人は苦手そうだなと私は苦笑いした。


「ともかくだ。君たちは生徒会の一員だ。生徒の模範になるように行動してくれ。業務については明日以降の放課後に伝えよう」

 事務的なことはシルヴァリアス先輩の管轄らしい。

 アウレリアス先輩は背をふんぞり返して、言いのけた。

「よろしくたのんだ」


 かくして私たちは生徒会の一員として、活動することになった。

 

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