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第三十二の運命:利己的な金剛石(終)

ロビ視点


すべてはあの火事から始まったがよ……。己がいかに弱く脆いかを思い知らされ、この世に永遠なものなど何一つないんだと悟らされた、あの火事からな。あの事故から一ヶ月ほどが経ち、他のみんなは自分の道を探すために別れていった。これから何をすべきかを見つけ、あわよくば、あの火事がもたらしたあらゆる後悔や悲しみから心と体を癒やすためにな。もちろん、おいらもみんなと同じようにこの場所を離れたがよ。


正直、離れたくはなかった。だが、幸せな記憶も苦しい記憶もすべて詰まったこの場所に、一人で留まりたくもなかったんだ。せめて一人か二人でも残る奴がいれば、おいらも一緒にいただろうよ。あいにく、他のみんなは去ることを選び、それどころかバラバラの場所へ行くことを決めた。誰も一緒にいようとはせず、誰も共に戦い癒やし合おうとはしなかった。誰もが利己的になり、自分や他人に何が起きるかなど構いもせず、自分のことだけを考えて別々の道を行きやがったのさ。


離れてから数週間が経ち、おいらはロシアにおった。正確には、ロシア連邦サハ共和国のヤクーツクという街だ。この街に来る前、大した準備もしていなかったから、ここがどれほど極寒なのかを知らなんだ。体を温めるほどの厚手の服も持っていなかったがよ。幸い、この街には厚手の防寒着を売る店がいくつかあったから、なんとか温まることができた。服を買った後、温かい飲み物を求めてレストランへも足を運んだ。


体が温まった後、おいらは鉱山を訪ねることにした。おいらの知る限り、この街には世界最大級のダイヤモンド鉱山があるはずだったからな。手に入れた情報は正しかった。その鉱山は実に広大で、おいらは圧倒されたよ。遠くから鉱山を眺めていたその時、おいらは突然、さっきまで絶対になかったはずの穴に落ちちまった。かなり深く落ちたが、運良く骨折もひびもなく無事だった。落ちてきた穴から登ることは不可能だったから、周りを見渡して別の出口を探そうとした。すると、落ちた先の壁や天井には数え切れないほどの発光する鉱物結晶があって、ちっとも暗くなかった。それにはすぐに驚かされたよ。


しばらく探し回ったが、出口を見つけるどころか、おいらはさらに深くへ入り込んでしまったようだった。そこで、美しく輝くシアン色のダイヤモンドに出くわしたんだ。なぜか、そのダイヤが拾えとおいらを呼んでいるような気がしたがよ。だが、近づこうとしたその瞬間、ダイヤが突然おいらの胸に向かって飛んできて、どういうわけか体に張り付いちまった。胸に触れた途端、おいらの全身は一瞬でダイヤモンド製のアーマーに覆われ、シアン色に輝いた。ほんの一瞬のことで、すぐに元に戻ったがな。気づいた時には、おいらはいつの間にか外に戻っておった。

ロビ:「一体全体、おいらの身に何が起きたってんだ?」


一週間が過ぎ、見つけたダイヤは本当に胸に張り付いたままで、何をしても外せなんだ。そのダイヤはおいらの全身を覆うダイヤモンドアーマーを作り出すだけでなく、ダイヤモンドや他の結晶を自在に操る力まで与えてくれた。シアンダイヤの力を特訓してみると、身に纏うアーマーをダイヤの剣やダイヤのキャノンなど、様々な形に変えられることも分かった。


どこからでもダイヤモンドを出現させることもできた。そこで、おいらはあることに気づいたのさ。

ロビ:「この力は本当に危険だ。欲張りで利己的な連中の手にこの力が渡ったらと思うと、ぞっとするがよ」

そう考えたからこそ、おいらはこの力を隠し、本当に必要な時以外は使わないことに決めた。たとえ助けになるとしても、ダイヤモンドを出したりはしない。むしろ、できることならこのダイヤを胸から外して元の場所へ返したいと思っていた。いつまでこの力を操りたいという衝動に抗えるか、分からなかったからな。


このダイヤをあまり使いたくなかったもう一つの理由は、以前この力を使って人を助けたことがあったからだ。だが、その相手は感謝するどころか、ダイヤモンドをよこせとおいらに迫り、強要してきた。最初は何の関係もなかった連中までが、他人を助けるために使ったダイヤのせいで被害を受けたと主張して、おいらにダイヤを渡せと圧力をかけてきたんだ。そのせいで、おいらはこの力を使うことがますます嫌になり、二度とダイヤを出すために力を使うまいと決めた。どうしても使わなきゃならん時は、アーマーとその武器としてだけ使うことにしたのさ。


しばらく時が経ち、ロシアの別の街にいた時のことだ。突然、強力な揺れが襲い、続いて恐ろしいエネルギーの爆発が起きた。間もなく、空飛ぶおぞましいクリーチャー共が現れて街へ向かい、到着するなり混乱を巻き散らし始めた。それだけじゃない。奴らが市民に憑りつき、操ることでさらなる破壊を引き起こしているのも見た。目の前で起きている惨状を前にして、最初は助けるべきかどうか、ひどく躊躇したがよ。


だが、混乱がますます手に負えなくなるのを見て、おいらの中の躊躇は一瞬で消え失せた。おいらはすぐにダイヤの力でアーマーを発動させ、市民を助け、あの化け物共と戦うために立ち上がったんだ。不運なことに、どれだけ倒しても奴らの数は圧倒的だった。しかも、こんな危機的な状況だというのに、一部の市民は欲に駆られて、おいらのダイヤを奪おうとしやがった。その強欲さのせいで、そいつらは捕まり、他のみんなと同じように憑りつかれちまったのさ。


一方、その強欲な連中を止めようとした他の市民たちも、結局は捕まって憑りつかれ、最後にはおいら一人だけが残された。おいらは失望の溜息をついたよ。

ロビ:「人間の強欲は、本当に災いしか持ってこねぇな……」

その後、おいらは他の奴らのことなど構わず、すぐさま逃げ出した。幸い、長く放置されたような古い鉱山施設を見つけたから、そこへ逃げ込み、身を隠した。混乱の音も、市民の悲鳴も、もうどうでもいい。おいらはもう、何も気にしちゃいねぇ。たとえおいらが、「利己的な金剛石」と呼ばれたとしてもな。

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