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第三の運命:動けないテレポーター

フィアン視点


すべてはあの火事から始まったんだ。俺たちの幸せをぶち壊し、俺から兄弟同然の奴を奪い、そして俺たち全員をバラバラにしたあの火事。あの事故から一ヶ月が経って、俺は今、エルサと公園でデートしてる。その瞬間を楽しもうとはしてるんだけど、時々どうしてもあの火事のことを思い出して沈んじまって、エルサを心配させてしまうんだ。

エルサ:「フィアン」

フィアン:「あ、わりぃ、エルサ。俺、またやってたか?」

エルサ:「いいよ。あんたにとって、兄弟みたいに思ってた人を失うのがどれだけ辛いか分かってるから」

エルサ:「でも、あんたも少しずつ手放すことを学ばなきゃ」

フィアン:「分かってる。いつもそばにいてくれてありがとうな、エルサ」


エルサは俺に微笑みかけて、優しく俺の手を握った。

エルサ:「どういたしまして、フィアン」

エルサ:「あの事故からもう一ヶ月なんて信じられないね」

エルサ:「みんな、もう自分の夢を追いかけて行っちゃったし」

フィアン:「エルサ、お前も行っちまうのか?」

エルサ:「たぶんね」

エルサも行ってしまうと聞いて、俺は一瞬黙り込んで俯いた。

フィアン:「いつかまた、会えるかな?」

エルサ:「当たり前じゃん! うちがどこに行っても、あんたなら絶対に見つけてくれるって信じてるし」

彼女があんまり自信満々に答えるから、俺はすぐに笑顔になった。

フィアン:「そんなに言い切るなら、お前をがっかりさせるわけにはいかねぇな」

フィアン:「ああ! 絶対に見つけてやるよ、約束だ」

そう言うと、エルサも俺に笑い返してくれた。


日が暮れてきて、俺はエルサを家まで送り届けた。

フィアン:「着いたぜ」

フィアン:「今日はありがとな、エルサ」

エルサ:「ううん、こっちこそ。デートありがと、フィアン」

エルサ:「いつかあんたが、ちゃんと過去を吹っ切れるよう祈ってるよ」

彼女の家を離れる前に、俺たちは抱き合った。

エルサ:「バイバイ、フィアン。元気でね」

フィアン:「バイバイ、エルサ。どこへ行っても頑張れよ」

フィアン:「約束する。俺が絶対にお前を見つけ出してやるからな」


```


エルサが去って一週間後、俺はイギリスのハイド・パークで、子供たちが木に登って遊んでいるのを眺めながら、また過去を惜しんでいた。突然、一人の子がバランスを崩して落ちそうになった。俺はあの子を受け止めようと木に向かって駆けだしたんだが、気づいた時には、まるで瞬間移動したみたいにもうそこにいたんだ。あの子を無事に受け止めた後、俺は混乱したまま急いで公園を後にした。ホテルの部屋に戻っても、さっき起きたことが頭から離れなかった。


俺はベッドに座ってバスルームの方を見つめ、あそこに行きたいと強く念じてみた。すると驚いたことに、一歩も動かずに直接バスルームの中へテレポしたんだ。結局バスタブの中に落っこちちまったけどな。

フィアン:「ハハハ、俺、本当にテレポできるようになったんだ」

フィアン:「この能力を使えば、エルサを見つけられるかもしれない」

俺はバスタブから這い出て、濡れた服を脱いだ。

フィアン:「でも、遠くに行く前にまずは特訓が必要だな」


テレポーテーションの能力を訓練し始めて一週間くらいで、だんだんコツが分かってきた。一つ、俺が行きたい場所をはっきりと視覚化したり想像できたりすれば、どこへでも飛べる。目的地に集中するために、よく写真を使っている。二つ、この能力は飛んだ距離に応じて体力を消耗する。一度、遠くに飛びすぎて気絶しそうになったから、今は慎重にやってるんだ。まずは近くの場所に飛んで、それから目的地へと段階的に移動する。時間はかかるけど、体力を温存できるからな。


```


数週間後、俺のテレポ能力はかなりの腕前になっていた。この力を使って何度もエルサを捜そうとしたんだが、悲しいことに手がかりは掴めなかった。今はアイルランドの森の中で、勝手に釣りをしている。釣りに夢中になっていると、近くでガサガサという音が聞こえた。見回りの森林警察かと思って、俺は隠れるのと様子を伺うために木の上にテレポした。そこで俺が見たのは、変な服を着た大人たちに囲まれ、電気ネットに捕まった俺と同じくらいの年の少年だった。大人たちはその子の腹をナイフで刺し、一瞬で殺しちまったんだ。


その光景に悲鳴を上げそうになった瞬間、誰かに口を塞がれ、俺が能力を使う間もなく一瞬で見知らぬアパートへテレポさせられた。部屋の中に入ると、その人物は俺を放した。俺をこんなところに連れてきた奴を問い詰めようと振り向いたが、そいつは俺を落ち着かせようとしてきた。

???:「落ち着け。強引に連れてきて悪かったが、奴らに気づかれないようにお前を救うには、これしかなかったんだ」

フィアン:「お前、誰だ?」

デヴィッド:「俺の名前はデヴィッド。お前と同じだよ」

フィアン:「俺と同じ? お前もテレポーターなのか?」

デヴィッド:「俺たちのような奴らは『ジャンパー』と呼ばれている」

フィアン:「ジャンパー?」

フィアン:「待て、それより大事なことがある。なんで俺をここへ連れてきた? あの森で何が起きたんだ? あの奴らは誰なんだよ?」


デヴィッド:「あいつらはパナディンと名乗り、俺たちジャンパーを狩っているんだ」

フィアン:「何だって? じゃあ、さっきのあの子も俺たちと同じジャンパーだったのか?」

デヴィッドは悔しそうに頷いて俯いた。

デヴィッド:「あの子を救うには間に合わなかった。だが、少なくともお前は救えた」

デヴィッド:「ここへ連れてきたのは、お前に能力の使い方を訓練するためだ。パナディンから身を守る術を学んでもらう」


```


一ヶ月後、デヴィッドとの猛特訓のおかげで、俺の能力は格段に広がった。触れた物なら何でもテレポさせられるようになったし、体力の消耗を抑えて効率的に力を使えるようになった。デヴィッドと一緒に、パナディンから他のジャンパーたちを救い出したこともある。今は数人のパナディンを片付けた後、ウェストミンスターのカフェで一息ついているところだ。

フィアン:「で、次はどこへ行くんだ、師匠マスター?」

デヴィッド:「その呼び方はやめろ!」

フィアン:「いいじゃんかよ、デーブ。お前は俺のメンターなんだから、マスターって呼ぶに決まってんだろ」

デヴィッド:「フィアン……」


デヴィッドの嫌そうな顔を見て俺は笑ったが、その平穏な時間は凄まじい地震によって唐突に引き裂かれた。地震と同時に、恐ろしいオーラが湧き上がるのを感じた。

フィアン:「デヴィッド、お前も感じたか?」

デヴィッド:「なんて恐ろしいオーラだ! 一体何が起きてやがる?」

デヴィッドが口を開いた直後、街中のあらゆるテレビに、恐ろしい悪魔のような姿が映し出された。

???:「全人類よ、注目せよ!」

ザルゴ:「我はザルゴ! 数世紀前にお前たちが封印した悪魔だ。今こそ貴様ら全員に復讐してやる」

ザルゴは悍ましい悪魔の軍勢を目覚めさせた。

ザルゴ:「目覚めよ! 我が軍勢、目覚めよ! 我がソウル・デバウラー共よ!」

ザルゴ:「行け! 人間の魂を喰らい尽くせ! この世のすべてを破壊しろ!」


奴が喋り終えた途端、目覚めた何百、いや何千もの悪魔たちが世界中に飛び散っていった。ほどなくしてソウル・デバウラーはロンドンにも到達し、多くの住民に取り憑いて、あっという間に至る所で混沌を巻き起こした。俺とデヴィッドが人々を守ろうと必死になっていた時、突然誰かがデヴィッドの背中を撃った。俺は倒れる前に彼を受け止め、撃った奴の方を見た。そこには、すでにソウル・デバウラーと同盟を結んだパナディンたちの姿があった。俺はパニックになりながら、必死にデヴィッドを起こそうとした。


フィアン:「デヴィッド! 起きろよ! ほら、ここから逃げねぇと!」

何度か揺さぶると、デヴィッドは意識を取り戻した。だが、逃げようとする代わりに、彼は俺の肩を掴んで力一杯突き飛ばしたんだ。

デヴィッド:「逃げろ! フィアン、俺を置いて行け!」

デヴィッドに突き飛ばされて、俺は躓いて地面に倒れ、呆然とした。地面に這いつくばったまま見ると、デヴィッドが俺の足に手を伸ばしてテレポさせようとしていた。そして俺が飛ばされる直前、デヴィッドがパナディンに頭を撃たれるのを、俺は恐怖の中で目撃したんだ。

フィアン:「嫌だあああ!!!」

俺はデヴィッドのアパートにテレポさせられた。そのまま床に崩れ落ち、悲しみに打ちひしがれた。そこに座り込んでいると、エルサのことが頭から離れなかった。必死に彼女を捜したいのに、こんな風に世界がめちゃくちゃになっちまったら、俺にはもう何もできない、どこへも行けないと感じた。

フィアン:「本当にごめん、エルサ。約束、守れなかった」

フィアン:「今の俺はただの、『動けないテレポーター』だ」

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