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第十八の運命:哀れな戦士

ジョヴィタ視点


すべてはあの火事から始まったのじゃ。われの安らぎの場を焼き尽くし、我がどれほどの臆病者であるかを突きつけ、この世に永遠などないと思い知らせたあの火事から。あの事故から一ヶ月が過ぎたが、我はいまだに己の行いを許せずにいる。カフェが燃え始めたと気づいた瞬間、我は誰よりも先に逃げ出した。他の誰のことなど考えもせず、己の身の安全だけが頭を占めていたのじゃ。一人の友が命を落としてもなお、我は恐怖のあまり何一つできなんだ。


我はアマゾネスの戦士ゆえ、他の友人たちとは違うことは分かっている。誰よりも強靭であり、あのような火事で傷つくことなどなかったはずなのじゃ。助けようとする代わりに、我は恐怖に駆られて逃げ出した最初の卑怯者となった。もしあの瞬間、我に行動する勇気があったなら、火が出た時にこの力を使っていたなら、こんなことにはならなかったであろう。我らは今も共にいて、笑い合い、冗談を言い合っていたはずなのじゃ。だが、起きてしまったことは変えられぬ。今の我にできることは何もない。


数週間が過ぎても、我は何をすべきか分からず、どこへ行くべきかも分からなんだ。最初はセミッシラへ戻りたいと考えたが、あのような無様を晒した後では、戦士の地に足を踏み入れる資格などないと感じたのじゃ。臆病者のわれに、あの島へ戻る権利などない。

ジョヴィタ:「はあ……」

公園に座り、我は長い溜息をついた。子供たちが友人らと楽しげに遊ぶ姿を眺めていたが、ふと、ファドリに救われた後のアズイマの顔が脳裏をよぎった。激しい罪悪感に苛まれ、我は再び溜息を漏らした。


一人の子供が我の近くで転んだのに気づき、我は素早く駆け寄って助け起こした。

ジョヴィタ:「大丈夫か、おぬし?」

その子は頷き、我に向かって微笑んだ。

子供:「ありがとう、お姉ちゃん」

礼を言うと、その子はすぐに友人らの元へ駆けていった。遠ざかる背中を見送りながら、われは少しだけ微笑んだ。今度は、火事のことは思い出さなんだ。代わりに、友らと共にいた中学時代のことを思い出したのじゃ。何も知らぬ子供で、何の悩みもなく遊んでいたあの頃を。


子供たちが遊ぶ姿を眺めているうちに、多くの美しい思い出が蘇り、正直なところ、罪悪感が少し和らぐのを感じた。気づかぬうちに、日は暮れ始め、親たちが迎えに来るまで我はずっと眺めていたのじゃ。名残惜しかった。もう少しこの場所にいたいと思ったが、人影もまばらになり夜の帳が下りてきたゆえ、我は住まいへと戻るしかなかった。家路につく間も友らとの美しい日々を思い返し、我の心には平穏が訪れていた。


一週間が経ち、我の心境は以前よりずっと良くなっていた。セミッシラへ戻る決心もついた。あちらで何を言われようとも構わぬ。恐怖から目を背け、妄執に囚われ続けるよりは、正面から向き合う方がマシじゃ。出発する前に、旅費を引き出すために近くの銀行へ立ち寄った。セミッシラへ戻るにはかなりの費用がかかるからの。あいにく銀行はひどく混雑しており、我は長い列に並ばねばならなんだ。

ジョヴィタ:「ふぅ、こんな時、ダイアナの誘いに乗って彼女の元に身を寄せていればよかったと思うわい」


ようやく窓口の番が回ってこようとしたその時、背後で銃声が響き、突然誰かに床へ押し倒された。その男は窓口に銃を向け、持ってきたバッグに金を詰めるよう脅していた。周囲を見渡せば、同じマスクを被り銃を手にした男たちが数人おり、客たちは銃口を向けられて震えていた。われは窓口の男を脅している奴に立ち向かおうとしたが、そやつは即座に我の頭を撃ち抜きよった。


幸い、我はアマゾネスゆえ銃弾など効かぬ。ほどなくして、ダイアナ――ワンダーウーマン――が駆けつけ、事態を収拾した。彼女は我を見て驚いた様子であったが、すぐに微笑み、暴漢どもを一掃した。強盗がすべて倒され警察が到着した後、我は無事に金を引き出すことができた。銀行を出ると、私服姿のダイアナが近づいてきて、我を抱きしめた。

ダイアナ:「久しぶりね、ジョヴィタ。元気にしていた?」

われはダイアナの抱擁を返した。

ジョヴィタ:「ああ、我は元気じゃ」

ジョヴィタ:「ここで出会うとは奇遇じゃな。我をセミッシラへ戻るのを手伝ってくれぬか」

ダイアナ:「どうして? 何があなたをそこへ戻りたくさせたの?」

我はうつむき、ダイアナにすべてを打ち明けた。


我が物語を聞き終えると、ダイアナは再び我を抱きしめ、優しく背中をさすってくれた。

ダイアナ:「分かったわ、あなたがセミッシラへ戻れるよう手伝う。でもその前に、一つだけ言わせて」

ダイアナ:「あの事件はあなたのせいじゃない。自分を責めるのはもうやめなさい」

ジョヴィタ:「それでも、我の躊躇が友の命を奪ったのじゃ」

ジョヴィタ:「火事が我のせいではないことは分かっておる。だが友の死は、我の無能さと臆病さが招いた結果なのじゃ」

われがそう告げると、ダイアナは黙って深く息を吸い、それから我らはセミッシラへと発った。


セミッシラに到着すると、アマゾネスの姉妹たちが我らを温かく迎えてくれた。中には手合わせを望む者もおり、断る理由もなく、また我もここでは将軍の一人であるゆえ、その挑戦を受けた。われが手合わせをしている間、ダイアナは母であるアマゾンの女王の元へ何かを話しにいった。訓練が終わってまもなく、ヒッポリタ女王が歩み寄ってきて、何も言わず悲しげに微笑んだ。ダイアナが話したのは、我が打ち明けた話のことだったのじゃろう。


一ヶ月ほどが過ぎ、我はセミッシラに留まることに決めた。ダイアナやドナ、アルテミスが時折島を訪れ、外の世界へ戻らぬかと誘ってきたが、我は常に断った。外の世界に、我が戻るべき場所などもうない。だがある日、いつものように訓練をしていた時、我とセミッシラの戦士たちは凄まじい地震を感じた。続いて恐ろしいオーラが爆発するのを感じたのじゃ。ダイアナ、ドナ、アルテミス、そして他の戦士たちは、何が起きているのか確かめるためにすぐさま外の世界へと発っていった。もちろん、我は同行せなんだ。我がついていったところで、足手まといになるだけじゃ。我はただの、「哀れな戦士」に過ぎぬのじゃから。

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