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第十五の運命:冷酷な女王

エルサ視点


すべてはあの火事から始まったのじゃ。何もかもを破壊し、すべてを凍りつかせ、もう誰にも止められなくなったあの火事から。あの事故から一ヶ月が経って、うちは今、フィアンと公園でデートしとる。あいにく、フィアンはただ黙って座り込んで、考えに耽っとるみたい。火事があってから、フィアンはうちと一緒にいる時でも、よく黙り込んだりぼーっとしたりするようになっちゃった。でも、彼の気持ちはわかる。兄弟同然に思っとった人を失うのは、簡単なことじゃないもんね。うちは彼の名前を呼びながら、優しく揺さぶってみた。

エルサ:「フィアン」

フィアン:「あ、ごめんエルサ。またぼーっとしてたよな?」

エルサ:「いいよ、兄弟みたいに思ってた人を失うのがどれだけ辛いか、うちは分かっとるから」

エルサ:「でも、あんたも少しずつ吹っ切ることを学ばなあかんよ」

フィアン:「分かってる。いつもそばにいてくれてありがとう、エルサ」


エルサ:「どういたしまして」

エルサ:「あの事故からもう一ヶ月なんて、信じられへんね」

エルサ:「他のみんなも、バラバラになっちゃったし」

フィアン:「エルサ、お前も行っちまうのか?」

エルサ:「かもね」

そう言った後のフィアンの沈黙が目に入った。うちはまだ彼と一緒にいたかったけど、自分自身が何をしたいのかも考え始めなあかん時期やった。

フィアン:「いつかまた、会えると思うか?」

エルサ:「当たり前じゃん! うちは確信しとるよ。うちがどこにおっても、あんたなら絶対に見つけてくれるって」

それを聞いて、フィアンはすぐに笑顔になった。

フィアン:「そんなに言い切るなら、お前をがっかりさせるわけにはいかねぇな」

フィアン:「ああ! 絶対に見つけてやるよ、約束だ」

うちはその言葉を聞いて、彼に笑い返した。


夜になって、フィアンはうちを家まで送ってくれた。

フィアン:「着いたぞ」

フィアン:「今日は一緒に過ごしてくれてありがとう、エルサ」

うちはもう一度笑って、彼を抱きしめた。

エルサ:「ううん、こっちこそ。デートありがと、フィアン」

エルサ:「いつかあんたが、ちゃんと過去を吹っ切れるよう祈っとるよ」

エルサ:「それじゃ、バイバイ。元気でね」

フィアンはうちの抱擁を温かく受け止めて、優しく背中をポンポンってしてくれた。

フィアン:「バイバイ、エルサ。どこへ行っても頑張れよ」

フィアン:「それからもう一度、約束する。俺が絶対にお前を見つけ出してやるからな」

うちは腕を離して、お互いに微笑み合って、フィアンは帰っていった。


フィアンと別れてから一週間が経って、うちは今、アレノーラっていう街におる。山の麓にある美しい港町で、その山の頂上には一年中雪が積もっとるの。雪に覆われた山頂を何度見ても、うちはいつも見惚れちゃう。山の冷たい空気は街には降りてこなくて、街はすごくポカポカしとるから不思議なんよね。


雪山を見つめとったら、一人の女の子が近づいてきた。

???:「あの山、すっごく綺麗でしょ」

エルサ:「ほんまやね。あんなに雪と氷があるのに、この街の暖かさを全然邪魔せえへんのがすごいわ」

???:「それは全部、雪の女王様の犠牲のおかげなんだよ」

エルサ:「雪の女王?」

???:「この土地の伝説なの。昔々、ここは終わりのない吹雪に悩まされてて、山の頂上に住む雪の怪物たちがいつも街を襲いに降りてきてたんだって」


???:「でもある日、この国の女王様が氷と雪を操れる力を手に入れるために、自分を山の力に捧げたの」

???:「女王様は望んだ力を手に入れて、それ以来、ずっと続いてた吹雪は止んで、雪の怪物たちも来なくなったんだよ」

???:「でもね、悲しいことに、その力のせいで女王様は怖くなっちゃったの。誰かを傷つけるのが怖くて。だから女王様は、一人で雪山の頂上に引きこもっちゃったんだって」

???:「山の頂上まで辿り着けた人は、女王様のお城を見つけられるし、運よく女王様に会えるかもしれないって言われてるよ」

エルサ:「切ないお話やね……」

???:「うん。でも私、雪の女王様は本当にいて、いつも私たちを見守ってくれてるって信じてるんだ」


アレノーラに滞在して数週間経った頃、なんの前触れもなく突然、猛烈な吹雪が吹き荒れたん。何年もこんな吹雪はなかったから、村の人たちはパニックになっちゃって、山の頂上で何が起きたのか確かめに行くことになったんよ。うちも気になったし、もしかしたら雪の女王に会えるかもと思って、調査に同行することにした。


山に着くと、激しい吹雪の向こうから、いくつか大きな影が近づいてくるのが見えたん。村の人たちは、それが雪の怪物やと思ってすぐに戦う準備をした。でも、うちがもっと近くでよく見てみたら、その影は山頂の近くで暮らす部族の人たちやったんよ。彼らはいつも分厚い毛皮を着とって、雪に覆われて吹雪に紛れとったから、雪の怪物みたいに見えただけやった。うちは村の人たちにそれを伝えようとしたんやけど、突然足が滑って、変な場所に転がり落ちちゃった。


意識が戻ると、そこは全部氷でできた部屋やった。目の前には、同じく氷でできた玉座に座る、すっごく綺麗な女の人がおった。真っ白なドレスを着た彼女の肌は青白くて、悲しそうにうちに微笑みかけた。

???:「本当にごめんなさい。でも、次はあなたの番なの」

彼女がそう言った瞬間、女の人の顔がうちの顔に入れ替わったん。でも、髪は雪みたいに真っ白で、目は氷のようなブルー。それを見てうちはもっと混乱しちゃって、何が起きとるんか理解する間もなく、気づいたら村の人たちや山の部族の人たちがうちの周りで跪いとる元の場所に戻っとった。


何が起きたんかさっぱり分からんかったけど、みんなうちは「雪の女王」って呼び始めて、山頂にある宮殿まで案内されたんよ。最初は氷の宮殿の壮大さに感動しとったんやけど、宮殿の中があの転げ落ちて女の人に会った場所と全く同じやって気づいて、ゾッとしたわ。それだけじゃない。氷の鏡に映った自分の姿を見て、うちは愕然とした。うちの姿は、あの女の人に会った後の変化そのものやったん。髪は白くなり、目は青く、彼女と同じ白いドレスを着とった。


「女王」になってから一ヶ月が経った。山頂の氷の宮殿で暮らしとるけど、全然寒くないんよね。むしろ、ここはすごく居心地がいいの。村の人や雪の部族のみんながよく食べ物を持って会いに来てくれるから、そんなに寂しくもないし。それに、いつのまにか氷と雪を自在に操れる力が手に入っとって、その力で宮殿を飾り付けたりもしとる。

エルサ:「フィアンがここにおったら、絶対喜んでくれるやろうなぁ」

二人で過ごした美しい時間を思い出して、うちは微笑んだ。

エルサ:「会いたいなぁ……」


ある日、宮殿を整えとったら、突然大きな地震が起きて、その後にすっごく恐ろしいオーラが漂ってきたん。それから数日後、宮殿に来た村の人たちが、理由も分からんのに突然うちに襲いかかってきたんよ。何度話しかけても、誰も答えてくれへん。だから、うちは彼らを凍らせて戦うしかなかった。でも、凍らせるたびに、自分の心が少しずつ冷たくなっていくのを感じたわ。


あいにく、日が経つごとに宮殿を襲う村人は増えていって、うちがどれだけ泣いて止めてって頼んでも、彼らは攻撃をやめへんかった。うちの涙が凍りついた後も、彼らは襲い続けてきた。そんな時、うちはまたフィアンのことを思い出して、泣きながら天に祈ったん。

エルサ:「フィアン、どこにおるん? お願い、うちのところに来て、うちを見つけてよ」

エルサ:「お願い、助けて」

エルサ:「約束したやんか、お願い」

エルサ:「うちを救って」

エルサ:「うちの心が、完全に凍りついてしまう前に」

エルサ:「うちは、『冷酷な女王』になんてなりたくないんよ」

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