これはきっと幸せを幸せを呼ぶオルゴール
夫から呪いのオルゴールだと見せられたのは綺麗なオルゴールだった。なので何が呪いのオルゴールなのかは見た目だけでは全然わからなかった。
「どこが呪いのオルゴールなの?」
「さあ、僕は知らないんだ」
「え、知らないの?」
「でも呪いのオルゴールだから寺に納めてほしいって父から渡されたんだ。だから再来週の日曜に寺に持って行くよ」
「なんで再来週?」
「寺の予定が空いていたのが再来週だったんだ」
そうなんだ。呪いのオルゴールと聞いて一瞬気味が悪いと思ったけれど再来週にお寺に持って行くのだから、なんとかなるかと自分を納得させた。
でもお寺に持っていくと言った夫は毎日のようにオルゴールを聞いていた。部屋から漏れ出る微かな音が夫がオルゴールを聞いているといつも私に教えるようだった。
まさかお寺に持って行かないんだろうか、そんな心配もしてしまったが夫は最初に言っていたようにお寺にオルゴールを持っていった。私も一緒に行ったので間違いない。
心のどこかで夫は呪いのオルゴールを手放さないのいではないかと身構えてしまったがそんなことはなかった。これで一安心、そう思っていたのに。
「最近、どこからかオルゴールの音が聞こえる」
今も家のどこからか微かにオルゴールの音色が聞こえる。
「もうお寺に納めたはずなのに」
どうすればいいの。
前から勉強だ、世間体だと口うるさかった父と母が大人しくなった。
どうしてかはわからない。
ただ以前より私の進路に勉強に口うるさく口出さなくなった。
行きたい志望校へ行けて、やりたい勉強をして、友達と遊んで。私は学校を満喫していた。
きっとそれはこのオルゴールのおかげなのかもしれない。だってこのオルゴールがきてから両親は私の話すことをやりたいことを認めてくれるようになったのだから。
このオルゴールが私に勇気をくれる。寝る前に部屋でオルゴールを聴く。
また明日もいい日になりますように。
なろうラジオ大賞7参加作品です。
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