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柴犬に変身できるようになった僕が、ダンジョン配信を始めたらバズってた〜気づかずにショタの性癖を歪めてたようです〜  作者: 暁 とと


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第84話 動きやすい服

昨日は、肉球マッサージをされながら眠りについたおかげで、今朝は目覚めもバッチリ。万全のコンディションで、今日こそダンジョンの奥深くに潜むドラゴンを討伐できそうだ。


 復帰配信の告知をSNSでしたところ、思った以上の反響があって少し驚いた。

 一応『ダンジョン配信です』とは伝えてあるけれど、ドラゴン討伐に挑むことまでは言っていない。視聴者がびっくりする顔を思い浮かべると、ついニヤニヤしてしまう。


「美緒さん、アリスさん、もうすぐ行くよ〜」

「「はーい」」


 配信は19時を予定している。それまでに、ボス部屋があると思われる最深部までたどり着かなくてはならない。目標タイムは、おおよそ7時間。


 そんな緊張感のある空気の中、ふいにアリスさんが口を開いた。


「それより、柴犬さん。復帰配信なんだから、もっとオシャレした方がいいんじゃないですか?」

「え、いや、いつも通りの服でいいと思うんだけど……?」

「いえいえ! 柴ちゃんは絶対オシャレした方がいいです!」


 そう言って、アリスさんと美緒さんはなにやら鞄をごそごそと漁り、ひそひそと相談を始めた。


「これがいいんじゃない?」

「そうだね。動きやすいし、柴犬さんに似合ってると思う」


 二人でなにかを決めた様子で、今度はこちらに歩いてくる。


「じゃあ、柴ちゃん、これに着替えてもらえるかな?」

「お願いしますね、柴犬さん」

「え、これを……着るの?」

「柴ちゃん、着てね」

「だ、だけど、体が……」

「着てね。ね?」


 言い訳をしようとしても、その前に優しく、でも有無を言わせぬ笑顔で「着てね」と返されてしまう。仕方なく、渡された服を手に取ってみると——


 体操服だった。しかも、ズボンの部分にはしっぽを通すための穴が開いていて、なぜか「柴犬」と大きく名前まで書かれている。


 着替えを終えた僕は、鏡で自分の姿を改めて見て、少し戸惑った。……これって、けっこうマニアックなんじゃないか?

 どこか落ち着かない気持ちのまま、顔を赤くしながら美緒さんとアリスさんに聞いてみた。


「ねぇ……これ、ちょっと恥ずかしすぎない? なんか、マニアックというか……」

「……か、可愛い……!」

「これなら、視聴者さんも復帰配信で大喜び間違いなしですね!」


アリスさんと美緒さんは、なんだか興奮気味だ。


ーーーうう、なんだかマニアックな衣装な気もするけど……まあ、もうこうなったら突き進むしかない。


 気を取り直して、準備を整え、いざドラゴンの待つダンジョンへ向かうことにした。




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