第79話 翔太くん目線 犬も足が痺れる
ワンワンねーねが僕の家にやってきた!
「あ、ワンワンねーね!」
その瞬間、思わず嬉しくて抱きついちゃった。やっぱりこっちの方がいい! もふもふで、大好きなワンワンねーねだ!
「ワンワンねーね、大丈夫なの?」
ワンワンねーねは、ネットとかで色々あったから元気がないかもっと思って心配だった。
でも、ワンワンねーねは僕に笑って、「うん、大丈夫だよ」って言った。
「じゃあ、ワンワンねーね、何して遊ぶ?」
僕が首をかしげると、ワンワンねーねは持ってきたゲーム機を取り出して、「一緒にゲームしよっか」って言ってくれた。
さっそくワンワンねーねが家に入ろうとすると——
「その前に、犬さんは服を着てくださいね。あと、お風呂にも」
お母さんがじりじりとワンワンねーねに近づいて、逃がさないようにお風呂場へ追い込んだ。
「あ、はい……」
ワンワンねーねは、ビックリしてお風呂に追い込まれていた。
でも、よく見たら確かに手足がちょっと汚れていた。
しばらくして、ワンワンねーねがお風呂から出てくると——
……なんか、すごく可愛くなってた。
白いブラウスとスカートを着てた。
「あ、ワンワンねーね! 似合ってるね!」
「う、うん……えへへ」
ワンワンねーねは、ちょっと照れくさそうに笑った。
そう言えば、ワンワンねーねが着ている服は、お姉ちゃんが着れないって、文句を言って捨てようとしていた服を着ていた。お母さんが「もったいない」ってこっそり保管していたやつだ。
お姉ちゃんより、ワンワンねーねの方が似合っている気がする!
ワンワンねーねが僕の部屋に来ると分かっていたので、僕はワンワンねーねが来る前に自分の部屋に飾っていたワンワンねーねのグッズを片付けておいた。
だって、ワンワンねーねに見られるのはなんだか恥ずかしいもん。
ワンねーねはゲーム機を取り出して、あぐらをかいて座った。僕も隣に座ろうとしたら、ワンワンねーねがぽんぽんと太ももを叩いて誘ってきたので、そのまま膝の上に座った。
「じゃあ、ゲームしよ〜!」
そう言って、僕たちは『モンハンター』を遊ぶことにした。魔物を仲間にしたり、一緒に戦ったりできるゲームだ。
ワンワンねーねは、このゲームを持ってるけどあまり遊んでないらしくて、最初は「わぁ〜、こうなってるんだ!」って楽しそうだった。
でも、だんだんゲームに集中しはじめて少ししたら——
「こんなんで僕に勝てるつもり~?」
(……?)
「はぁ〜い、余裕ぅ〜♡ ぷぷ〜弱すぎ〜」
(ん!?)
ワンワンねーねは、ゲームに集中すると、つい煽る感じになっちゃうのかなと思いながら、僕も夢中でプレイを続けた。
しばらく遊んでレベルアップや装備を整え、初のボス戦。少し苦戦したけど、なんとか倒すことができた。
ふと気づくと、ワンワンねーねはゲームに夢中になりすぎて、顔が画面に近づいていた。そのせいで、僕の耳元にも近づいてきて——
「ざっこ〜♡」
耳元で囁かれて、僕はびっくりして思わず声を上げた。
「え?」
「な、なんでもないよ〜」
ワンワンねーねは、慌てた顔をして誤魔化そうとしてた。最後の耳元で言われちょっと、ゾクゾクっとした。
なんだか、恥ずかしそうな感じにしていたので、追求はしなかった。
そのあと——
「そろそろゲームはやめなさい!」
お母さんの声が響いて、僕たちはゲームをやめることにした。時間を見ると、もう12時を超えていた。
「ワンワンねーね、下で一緒にご飯食べよ」
「う、うん……で、でも、ちょっと待って」
ワンワンねーねは、数時間も同じ体勢だったせいで、足が痺れて動けない様子だった。
「えいっ!」
僕は、ワンワンねーねの後ろ足の肉球をぷにっと触ってみた。
「んぎゅ!?」
ワンワンねーねは、足を触られただけなのに、そのまま床に倒れピクピクとしてた。
「しょ、翔太くん!? あ、足が…痺れちゃてるから、触らないで…?」
反応が可愛くて、もう一度触ってみたくウズウズしたけど、必死でやめて欲しそうだから、僕は触りたい気持ちをグッと抑えて触るのを辞めた。
ワンワンねーねの足の痺れが取れるのを待って、一緒に下へ降りた。




