表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
柴犬に変身できるようになった僕が、ダンジョン配信を始めたらバズってた〜気づかずにショタの性癖を歪めてたようです〜  作者: 暁 とと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/85

第74話 訴訟問題

加工した魔石100個を抽選販売したところ、初日だけで1万人以上の応募が殺到した。

応募期間は2週間だったが、その間にもどんどん増え、最終的に3万人近くが申し込んでくれたらしい。


マネージャーによると、これは過去最高の応募数だったようで、彼女も驚きを隠せない様子だった。

抽選システムを使い、3万人の中から100人の当選者を選び、魔石を発送。

正直、ここまで多くの人が応募してくれるとは思っていなかった。


「まさか、僕が加工した魔石がこんなに人気だったとはな〜」


発送からしばらくすると、購入者たちから続々と感想が届いた。


「防御力が最高!!」

「安心感がすごい!」

「柴犬さんの皮脂が付いてる……嬉しい」


……最後のコメントには若干の戸惑いを覚えつつも、再販を希望する声がかなり多く、予想以上の反響に驚いた。


ーー再販は……もう少し先でいいかな。


そう思いながらも、また作りたいという気持ちが湧いてきた。


そんなことを考えつつ、ダンジョン探索を終えて戻ると、スマホに複数回の着信履歴が残っていた。

発信者はマネージャー。


何かあったのかと思い、すぐに折り返すと——


「柴犬さん!! 事務所まで至急来てください!!」


焦った様子の声に、僕は事情も分からないまま、急いで事務所へ向かった。


「柴犬さん。最近販売した加工魔石が、ある会社のものと“似ている”ということで、賠償金を支払わなければ訴えると言っています」

「え?」


まさか、と思いながら会社名を確認するとーーそこは、僕が以前働いていた職場だった。


「ですが、問題ないです」


マネージャーは落ち着いた声で続ける。


「魔石の形状についてですが、柴犬さんの加工は完全に独自のものであり、意匠権にも抵触しません。加えて、相手側も正式な権利登録をしていないため、法的には訴える根拠がないんです」


「……なるほど」


つまり、ただの言いがかりか。


「とはいえ、訴訟沙汰は面倒ですからね。今後の対応について話し合うために、急いで柴犬さんを呼び出しました」


マネージャーは苦笑しながら、書類を机に置いた。


「さて、どう対応しましょうか?」


僕は考え込む。向こうの狙いは賠償金、つまり金目当ての可能性が高い。なら、まともに相手をする必要はないだろう。


「ひとまず、弁護士と相談して、正式に『法的な問題はない』と通知してもらおう。それで引き下がれば良し、しつこいようなら徹底抗戦です」


「了解しました」


ーーとはいえ、まさか前の職場がこんな形で絡んでくるとは……


********


「はぁあ!! どうして機械化したにも関わらず、売り上げが落ち続けるんだ!!」


町工場の社長が営業担当を怒鳴りつけていた。


「は、はい……機械化を導入したことで、生産性は確かに上がりました。ですが、加工した魔石の性能が以前よりも低下しているとの声が多く……」


「は? どういうことだ? 形はほぼ100%、完璧に再現できているんだぞ? それで性能が落ちるわけがない!」


「ですが、ネットの口コミを見る限り——」


「『前のが良かった』」

「『急に性能が落ちた?』」

「『手に入りやすくはなったけど……攻撃のダメージ半減くらいだよな。前ならオークの攻撃も防げたのに』」


「……といった意見が多く見られます」


「クソが!!」


社長は机を拳で叩き、険しい表情で営業担当を睨みつける。


工場の経営が傾き始めているのは明らかだった。機械化によって大量生産できるようになったものの、品質が伴っていなかったのだ。


焦る社長の目に、ネットニュースの記事が飛び込んできた。


『人気急上昇! 柴犬さんが作った加工した魔石、3万人の抽選が殺到!』


「……あれ? これ、うちのと似てないか?」


社長が画面を指さすと、営業担当も首をかしげた。


「言われてみれば……確かに加工方法は似ていますが、個人が手作業で作っているものですし、それに、権利登録も……」


「うるさい!! さっさと訴えると言ってこい!!」


社長はニヤリと笑った。


「相手は人気商売だ。訴訟問題になればイメージダウンを恐れて、金を払うはずだ。上手くいけば、一気に大金が転がり込んでくるぞ〜」


「し、しかし……」


「いいからやれ!! さっさと連絡するんだ!!」


こうして、柴犬さんがいる事務所に電話をして脅した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ