表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
柴犬に変身できるようになった僕が、ダンジョン配信を始めたらバズってた〜気づかずにショタの性癖を歪めてたようです〜  作者: 暁 とと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/85

第73話 100万人耐久

 美緒さんのチャンネル登録者数が、とうとう100万人まであと1万人に迫っていた。

 100万人耐久配信をすることになり、僕も手伝いとして呼ばれることになった。


 準備のために、獣人の姿で事務所へ向かう。撮影スペースに入ると、美緒さんが椅子に座ったまま固まっていた。


「どうしたんですか?」

「柴犬さん……実は、100万人配信をすることが、こんなに緊張するとは思わなくて……」


 どうやら、プレッシャーでガチガチに緊張しているらしい。

 そんな美緒さんの様子を見ていたら、僕のほうが少し気が楽になった。


 緊張している人を見ると、逆に落ち着くものなのかもしれない。


 せっかくだし、少しでもリラックスできるように手助けしよう。


「肉球、触ります?」


 僕はそっと手を差し出した。

 僕の肉球は普通の犬よりも柔らかく、もちもちしていると評判だ。美緒さんも触れば、きっと気分転換になるはず。


「や、柔らかい……ぷにぷにしてる」


 美緒さんはおそるおそる、ツンツンと指で肉球を押してくる。

 くすぐったくて、思わず肩をすくめた。


「気持ちいい……」

「んっ♡」


 最初は遠慮がちだった指先が、次第にしっかりと肉球を押し込んでくる。

 もみもみと心地よい力加減で揉まれ、つい甘い声が漏れてしまった。


 ――やばい、ちょっと気持ちよすぎるかも。


 けれど、そのおかげか、美緒さんの表情はさっきよりずっと和らいでいた。


「えいっ!」

「え!? ちょっ、美緒さん!?」


 不意に、美緒さんが僕の手を取ると、そのまま肉球に顔をうずめた。


「……ふぅ、いい」

「そうなんですか……?」


 驚いていると、美緒さんは「スーッ」とゆっくり息を吸い込んだ。

 まるで癒しのアロマを嗅ぐかのように、しばらくの間、僕の肉球に顔を押し当てている。


 ――え、そんなにいい匂いするの?


 不思議に思いながら見守っていると、美緒さんはやがて顔を上げ、満足そうに微笑んだ。


「……だいぶ緊張がほぐれました!」

「よ、よかったです……」


 すっかり落ち着いた美緒さんは、意気揚々とカメラの前へ向かった。


  そして、100万人耐久配信が始まった。


 開始時点で、残りの登録者数はあと2,000人。


「こんにちは〜……え?」


 挨拶とほぼ同時に、登録者数が一気に跳ね上がる。


「……あ、ありがとうございます! 100万人突破です!!」


 なんと、配信開始の瞬間に100万人達成。


 耐久配信のはずが、秒で終わってしまった。

 僕も思わず目を丸くする。


 タイトル通り「耐久配信」なので、このまま終わってもいいのだが……せっかく準備したものが無駄になってしまう。


 とりあえず、1時間だけ配信を続けることになった。


「えっと、今回100万人耐久を見守ってくれた柴犬さんです!」

「秒で100万人突破するのはビックリしたよ」

「私も驚きです。一万人くらいから始めれば、もう少し余裕があると思ってたんですけど……まさか、こんなに早く達成するなんて」


 僕たちはまだ状況を理解しきれていなかった。


 そんな中、美緒さんがふと思い出したように口を開く。


「あ、そういえば。柴犬さんの肉球の匂いって、なんだかすごくいい匂いがするんですよ〜」

「え? そうなの?」


 コメント欄もすぐに反応する。


『本人も気づかない事実』

『嗅いでみて〜』

『柴犬肉球アロマとか販売しないの?』


 100万人耐久配信は1時間ほどで終わり、無事に幕を閉じた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ