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第7話 布教活動

「美緒、最近なんだか調子が良さそうだけど、彼氏でもできたの?」

「違うよ」


 美緒は、ダンジョン配信仲間であるアリスと一緒にダンジョンで魔物を倒し、20階層まで突破したところで配信を終えた。


 ダンジョンから出た後、魔物を倒したり体を動かした2人は、小腹が空いたので近くのファーストフード店に寄り、ハンバーガーを食べながら雑談をしていた。


「えぇ〜、本当に?」

「本当だってば」

「なんだか、シッポのサメ肌の調子が良くなったような気がしたけどな〜」

「ま、まあ、無いわけでは無いけど.....」

「え、なになに〜?」


 美緒がスマホを取り出し、何かを検索し始めた。その画面を覗こうと、アリスは椅子から立ち上がり、身を乗り出してスマホを覗き込んだ。


「犬?」

「あっ、もぉ!勝手に見ないでよ。まあ、柴犬だけど」

「柴犬....?それが、美緒が調子が良くなった理由なの?」

「うん。この柴犬さん、アリスと私と同じダンジョン適応症なんだよ。それに、人間のように喋れるの。でも、行動が本当に可愛くて、ずっと見ていられるの。こんなに可愛いのに、登録者数が10人程度っていうのがビックリだよ」

「え、ダンジョン適応症なの?」


 アリスは驚きながら言った。アリスもダンジョン適応症で、猫耳とシッポが生える巨乳の金髪外国人だ。ダンジョン適応症に関する知識はある程度持っていた。


 日本は他の国に比べてダンジョン適応症の人が圧倒的に多く、研究が進んでいるため、ダンジョン適応症の配信が人気だと知り、アリスは日本に移住してきた。


「本当に?」

「うん。本当に。しかも、この柴犬さんには特技があって、地面に埋まっている魔石を掘り当てることができるんだよ」

「えぇ、すごい!!それに、真剣に地面を掘っている姿、顔を地面に近づけてるから、口周りが砂だらけになってて、可愛いね!!」

「でしょ!!」


 美緒は嬉しそうに話し、アリスも興味津々でその動画を見ていた。アリスはすぐに『犬』のチャンネルを登録し、スマホ画面を美緒に見せる。


「アリスもチャンネル登録した〜」

「やった!柴犬くんのファンを増やした〜」

「でも、美緒と初めてコラボしたとき、何も興味がなさそうでクールでかっこいい女性って印象だったけど、柴犬くんにハマってから、ちょっと可愛くなったんじゃない?」

「そうかな?」

「イェース」


 美緒は照れたように笑い、アリスも満足そうに頷いた。


 その後、2人はハンバーガーを食べ終え、探索者ギルドに立ち寄り、ダンジョンで魔物を倒してドロップした魔石を換金。得た利益を半分に分けて、お互いに自分の家に帰ることにした。


「あ、そうそう。明日もコラボ配信しない?」

「うん、いいよ。今度はもっと深い階層目指せそうだし」


 2人は別れ各々の帰路についた。美緒は柴犬の配信を見ながら、今日一日の疲れをとっていた。美緒は、今日勧めた『犬』の動画の可愛いシーンをスクショして、アリスに写真を送っていた。

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