第57話 コンビニ強盗
事務所で武器選びを終えた帰り、僕はコンビニで夜ご飯のお弁当を選んでいた。
その時、突然、怒鳴るような声が聞こえ、思わず振り向くと、ドラマでよく見るような光景が目の前に広がっていた。
「おい!!金を出せ!!」
「ひぃい!!」
ナイフを持った覆面男が、コンビニの店員に包丁を突き出し、お金を要求している。
その光景を目の当たりにして、僕は驚き、思わず手に持っていたお弁当をしっかりと握りしめながら呆然と立ち尽くした。
ーーーうお!?ドラマとかでしか見たことなかったけど、こんなことが現実で起きるなんて!?
ビックリしていた。
「お、おい!!早くしろよ!!」
コンビニ強盗犯は焦りながら店員に包丁を突きつけ続けている。店員は恐怖で顔が青ざめ、震えながらレジの鍵を開けようとしているが、手が震えて中々鍵穴に鍵を差し込むことができない。
その隙に、僕はスマホを手に取って警察に通報しようとした瞬間、強盗犯が僕の存在に気づき、突然こちらを睨んできた。
「お、おい!?そ、そこの....に、人間!?お、女!?その電話をこっちに渡せ!!!さも無いと、刺し殺すぞ!!」
包丁を僕に向け、脅しながら声を荒げる強盗犯。
昔の僕なら、怖くて震えていたかもしれないが、今の僕はもう違う。
ダンジョンで数々の魔物と戦い、巨大なミノタウロスの斧を見た後では、これくらいの脅しでは動じない。
冷静にスマホの画面を見ながら、僕は淡々と通報を続けた。
「どうしましたか?事件ですか、事故ですか」
「事件です。コンビニ強盗です。目の前に、包丁を持った覆面の男がいます」
「お、おい!!何警察に電話してんだよ!!」
焦った強盗犯は、僕に向かってさらに近づき、包丁を持った手を僕の腹部に振り下ろそうとしてきた。
けれど、今の僕は獣人の姿だ。
そして、今さっきわかったことだが、どうやら僕はかなり力が強いらしい。
「グァ!!」
僕は余裕を持ってその攻撃を避け、すぐに右手で強盗犯の胸を押し付けて地面に叩きつけた。
そのまま押さえ込み、身動きできないように抑えた。
しばらくして、警察が到着し、コンビニの中に入ってきた。
僕は、強盗犯を警察官に引き渡した。
「ありがとうございます。ですが、危険な真似はやめてください」
「すいません、咄嗟のことで…」
「ですが、ありがとうございます!!」
警察官は深く頭を下げ、感謝の意を示してくれた。
少し驚いたが、僕も軽く敬礼して返した。
その後、警察の捜査が始まり、事情聴取などされ、後で聞きたいことがあるかもしれないと連絡先を教え、コンビニを後にした。
それと、どうやら僕は表彰されるらしい。表彰って、時々新聞やニュースで見るもので、まさか自分が表彰されるとは思わなかった。
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翌日、表彰状を受け取るために、僕は獣人の姿のままで警察署に向かった。
表彰式にはきちんとした服装が必要だと思い、スーツを着て行った。
「犬塚小太郎殿、コンビニ強盗を制圧し、無事に事件を解決されたことを称え、ここに表彰いたします。あなたの勇気と冷静な判断力は、多くの人々に感動を与え、また、安心をもたらしました。これからもその強い意志と優れた行動力で、社会に貢献し続けてください」
署長から表彰状を受け取った。その場には数人の記者がいるだけだと聞いていたけど、実際にはかなりの人数が集まっていた。カメラマンや記者が数十人、会場はぎゅうぎゅうになっていた。流石に署長さんも少し緊張している様子だった。
『柴犬さん、活躍しすぎ!?』
『ニュースで見たけど、キリッとした可愛さがもう!!』
『柴犬さん、少し緊張して顔と体が、ガチガチだったけど可愛すぎた』
『また、柴犬さんの可愛さが世界中に広まったな』




