第26話 スケルトンより身近な脅威
僕の公式配信は、ただ僕が黙々と食べるだけの動画になっていた。
だけど、視聴者から好評だと言われ、またやるかもマネージャーさんっと教えてくれた。
ーーーまた高級なお肉をお腹いっぱい食べられるのか....
と思うと、嬉しくて仕方がない。
配信が終わり、事務所を出て家に帰ろうとしたその時だった。突然、後ろから誰かに持ち上げられた。。
「ぬぉお!?」
慌てて振り返ると、僕を後ろから持ち上げているのはアリスさんだった。
「柴犬さん、ちょっと待ってください」
「どうしたんですか?」
「すいません。いきなり引き止めて....だけど、柴犬さんとコラボ配信をやりたいと思いまして」
どうやら、僕と一緒にコラボ配信をしたいらしい。
驚きつつも特に断る理由もなかったので、僕は明日、ダンジョン配信でアリスさんとコラボすることになった。
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「おはようございます」
「おはよ〜」
「柴犬さん、おはようございます!!」
待ち合わせは、僕が行ったことのない事務所の近くにあるダンジョンの入口だった。
ここは、最近出来たらしく近くの人しか知られてない。だから、ここのダンジョンで探索してくれる人はまだ居ないらしい。
アリスさんだけだと思っていたら、美緒さんも一緒にコラボすることになった。
「突然ですみません。美緒ちゃんも一緒でも大丈夫ですか?」
「大丈夫です!!」
「よろしくお願いします」
と挨拶を交わし、3人でコラボ配信を始めた。美緒さんのことは知っていたが、アリスさんも同じダンジョン適応者で、猫型のようだ。
猫耳と猫のしっぽ。それに加えて、攻撃に使える鋭い爪が特徴的だ。
『レアだ!! ダンジョン適応者が3人もそろうなんて!!』
『だけど、こう見ると.....柴犬さんは特殊なんだな〜』
『柴犬さんは特別だな〜』
僕は真ん中を歩き、テクテク進みながら、今回は5階層を目指すことにした。
1~3階層には、いつも行っているダンジョンと同じ魔物が出現した。
ただ、2階層に出てくるスライムだけは僕の天敵なので、アリスさんと美緒さんにお任せした。やはり2人とも強い。アリスさんは鋭い爪で、美緒さんはしっぽや剣を使って魔物を次々と倒していく。
「凄いですね」
「柴犬さんも強いです!!」
そう言って、美緒さんが褒めてくれた。
ようやく、初めての4階層に到着した。そこには防具を身につけ錆びた剣を持ったスケルトンがうろついている。
ーーーなんだか……お化け屋敷みたいだ。
「む、無理ぃいい!!」
4階層でスケルトンを見るなり美緒さんは、僕を抱き上げ発狂していた。美緒さんは幽霊っぽいものが苦手らしく、怖さを紛らわせようと僕を抱き上げたらしい、
「い、痛い、いちゃい!!」
「柴犬さんがいて助かります。美緒ちゃん、こういうの本当にダメなんです」
その間も、アリスさんは平然と鋭い爪でスケルトンの核である部分を的確に突き壊しスケルトンをドンドン倒してくれる。さすが、頼りになる。
『し、柴さぁぁああん』
『し、柴犬さんの体がスリムに!!』
『柴犬さんのピンチ!!』
『アリスさんすげぇええ!!』
何とか4階層を突破することはできたが、魔物よりも美緒さんに潰されそうで命の危機を感じた。
そして、ついに5階層へ。
5階層に着くと、ようやく美緒さんに離してもらえた、
ここは今までとは違い、広く開けた空間だった。その中央には、大きな金棒を地面に突き刺さり、その横では更に大きな巨体を持った魔物が立っている。
「あれって、オークキングよね」
「オークキング?」
「アリスも戦うのは初めてだけど、多分強いよ。これはボス戦ね」
どうやらこのダンジョンは階層が少ない分、すぐにボス戦に突入する仕様らしい。
僕たちは緊張感を高めながら戦闘の準備を整えた。
「気を引き締めて行きましょう」
そう僕は呟き、オークキングに挑むことにした。




