初日の顔合わせ。
ある日の昼下がり。屋敷の窓からは強い日の光が差し込んでいる。
昼食も終わり、僕は父さんとなんとなく休憩をとっていた。
「こう日が強いとかなわんな」
「雨に降られたりするよりはこのくらいのほうが」
「ふぅ・・・強い日の光に当たると溶けるってしってたか?やはり曇りがいい。すずしいしな。」
いつものごとくふざけている。
「そろそろお前にもいいだろう。」
僕には何がいいのか全くわからない。
「おっ噂をすれば何とやらだ」
小さな女の子が二人、部屋につれてこられた。
普通の女の子と違うところは耳と尻尾がついている。奴隷階級の証だ。
二人に目をやると一人は犬、もう一人は猫の耳と尻尾だ。
二人はワーウルフ、ワーキャットと呼ばれる存在。この種族の者は主に奴隷として扱われる。
「お前もロヴェーレ家の者なんだからそれなりにしてみろ。家の家業はしっているだろ?」
詳しく知っているわけじゃない。でもどうしても人を使わなければならない仕事だということは知って
いた。それも奴隷とよばれるモノを。
「そのための練習だ。お前もこの者達の用途は分かっているだろ。」
知っている・・・つもりだ。
二人は何も言わず、怯えたような表情でこっちをみてくる。
そんなに見られても僕にだって突然すぎて・・・。
「突然すぎて何をしたらいいか。」
「なら明日にするのか?明後日か?いつまで先延ばしにする?」
いつにしろ同じ・・・ということか。
「この二人をお前に与える。これからどうしようとお前の自由だ。」
やっぱり今すぐには整理がつきそうには無い。
「自分の部屋に連れて行ってそれから詳しく話せばいい。」
言われた通りにしようと思った。おそらくは言われた通りにするのが一番無難だろう。
まだよく分からないんだから。
「と・・・とりあえず僕の部屋に行こうか」
二人は後ろをついてきてくれた。
父さんは状況を楽しむかの様に軽く手を叩きながら見送る。
・・・突然持ってきて楽しんでるじゃないだろうかあのクソ親父。そう思った。
「ふう。あいつは少し優しいかなら。でも、できてもらわないと困る。」
扉を開け、部屋に入る。
二人は躊躇しながらも、仕方が無いというように扉をくぐった。
部屋に入っても二人は緊張状態だった。
犬の子は明らかにおびえているし、猫の子もかなり警戒しているのがわかる。
二人ともあまりこっちを向こうとはしない。
「えっと・・・」
落ち着いてきちんと二人を見ることができたのは、今が初めてな気がする。
なんというか・・・二人とも可愛らしい。
一人は淡い赤い髪に大きな瞳、垂れた犬の耳と丸い感じもあるせいか人懐っこそうに見える。
もう一人は青い髪に切れの長い瞳が冷たく見えるが、とても整った端正な顔立ちをしている猫の子。
「僕はルル。ロヴェーレ=ルル。君たちの名前は?」
少しの沈黙の後、猫の子が答えた。
「奴隷に名前なんてあるわけないでしょ。」
・・・。驚いた。それが普通なのだろうか。
今までまったく触れなかった世界。突然訪れたそれに僕の頭の中はかなり混乱していた。
「なら・・・どうしよう・・・・・・。なんて呼べば・・・・いいのかな・・・。」
「別に呼びたいように呼べば。なんて呼ばれようと一緒よ。どうせ今までのだって覚えてなんかないし。」
それだけ言うとまた目をそらしてしまう。
「じゃあ・・・僕が名前をつけていいんだね。」
もう返事をしてくれない。
しかたなく沈黙を肯定ととり
「じゃ君がタマ。で、そっちがポチ。」
またまた沈黙。・・・どうしよう、変な名前にでもしてしまったのだろうか。
「あ・・・・・変・・かな。なんて呼んだらいい。・・・好きなのがあれば・・・」
「いいよ、別に。」
「私もそれでいいです。」
片方は本当にどうでもよさそうに、片方は少し嬉しそうに返事をした。
対照的な二人だ。
僕はひとまず安堵し
「・・・どうしていけばいいのか僕にも良く分からないけど。これからよろしくね。」
そう言い頭を撫でようとそっとポチの頭へ手を伸ばす。
「ダメ!そのこに―」
タマがそこまで言ったとき、僕の手に何か衝撃が走った。
見ればポチの口が僕の手を覆っている。噛み付かれたのだ。
歯が食い込み、骨が軋むような音を立てる。
「あ・・・あ・・・・の。」
ポチが手を離した。
「この子は悪くない!しかたないんだよ。反射的に、勝手になってしまうんだよ。」
少し和らいでいたはずのポチの表情が変わっていた。
最初に来たときと比べ物にならないほど怯えている。
はじめまして。この作品どうでしたか。
初めて「あとがき」というものを書きました。
自分の中での認識ではあとがき=暴走するためのところ。
もしくは「何をしても許されるところ」だからこそ20000文字も用意されているのではないかと思います。
エロゲーって高いじゃないですか。18歳以上対象やし。買えないわけですよ。
となると・・・日ごろの授業中鍛えた妄想力で補うしか無いわけです。
で・・・できたのがこれなんです。