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17話

(能力捕食型・・・これってまさか)


 異世界作品の定番でよくあるのが〝相手から能力を奪う〟というスキルだ。


 これがそれと似たような力を有しているのだとすれば――。


『どうでしたか? マスター』


「ルルムの言ったとおりだよ。魔剣の性能を引き出せるっぽい」


『そうなんですねっ! よかったですっ~~♪』


「できるかわからないけど、ちょっと試してみるよ」


『はい、お願いしまぁーす☆」


==================================


 轟斬猛怒(ベルセルクモード)に切り替えますか?(Y/N)


==================================


 ボキィィィン!!


 ゲントがパネルを操作してYESを選択すると、黒紫色だった魔剣は黒緋色へと外見が変化する。


 ちょうどそんなタイミングで。


 こちらに突進してくるモンスターの群れが目に入った。


 ゲントは変色した魔剣の(グリップ)を握り直すと、目の前の集団に剣先を向ける。


==================================


[モンスター名]

バーバリアン


[危険度]

C+級


[タイプ]

戦士型


[ステータス]

Lv. 35

HP 4100/4100


==================================


(危険度C+級。最初に試す相手として不足ないな)


 光のパネルを閉じると、ゲントは魔剣を突き立てたまま突進を仕掛ける。


 敵側からすれば、丸腰のまま向かって来ていると思ったに違いない。


(でも残念だ。こっちには最強の魔剣がある)


 すべてを相手にする必要はない。

 ゲントは目標を1体に定めると、魔剣をバーバリアンの胴体に突き刺した。


「オオオオオオオオン~~!?」


 視えない剣による不意打ちを食らったバーバリアンは、その場で雄叫びを上げて立ち止まる。


(よし、今だ!)


 ゲントはあるイメージをしながら、突き刺した魔剣をそのまま思いっきり引き抜いた。

 

 敵がその場に倒れ込むと、新たなパネルが立ち上がる。


==================================


 轟斬猛怒の権能により、

 奥義〈斬り潮〉を獲得しました。


==================================


「マジかよ。できちゃったのか・・・?」


 実はゲントは、敵に剣を突き刺しつつ、奥義を引き抜くようなイメージをしていた。

 

(まさか本当に奥義が手に入るなんて・・・)


 狙ってやったこととはいえ、さすがに驚きが隠せない。

 ゲントはすぐさま自身のステータスを確認する。


==================================


【トウマ・ゲント】 


Lv. 88


HP 8800/8800

MQ 0


魔力総量 0

魔力 0


魔法攻撃力 0

魔法防御力 0


火属性威力 0

水属性威力 0

風属性威力 0

雷属性威力 0

光属性威力 0


筋力 568

耐久 547

敏捷 560

回避 551

幸運 562


SPゲージ 880/880


クラスF

堕威剣邪


[ユニークスキル]

【抜剣覚醒】


[奥義]

〈斬り潮〉


==================================


(なんかいろいろと追加されてるけど・・・)


 ステータス画面には、これまで存在しなかったSPゲージと奥義という項目が新たに追加されていた。


 一度、奥義の項目をタップして内容を確認してみることに。


==================================


[奥義名]

斬り潮


[威力/範囲]

C/全


[消費SP]

5%


[効果]

翻弄して敵陣を切り崩し、剣閃を一気に斬り抜く大技。

敵全体に命中率の高い小ダメージを与える。


==================================


 試しにやってここまでできたのなら・・・。

 あとはすることはひとつしかない。

 

(ちゃんとこれが繰り出せるか確認しないと)




 反撃を仕掛けてくる別動隊の攻撃を回避すると、ゲントは魔剣を振りかざす。


「いくよ、ルルム」


『らじゃ~ですっ☆』


 剣先に意識を集中させる。


(これから俺は奥義を放つんだ・・・。イメージを膨らませて・・・)


 頭の中でなにかが弾けた瞬間。


「奥義其の1――〈斬り潮〉!」


 ゲントは無意識のうちにそう叫びながら、魔剣を振り抜いていた。


 ゴアシャァ!!


 その刹那。


 円軌道を描く衝撃波がバーバリアンの群れを木っ端みじんに吹き飛ばしていく。


『おおおぉっ~~!! やりましたよぉ~!! マスタ~~っ!!』


「・・・うん。できちゃったね・・・」


 本当に奥義が繰り出せてしまったことに、さすがにゲントも驚きが隠せない。


 しかも、思いのほかそれは強力だった。


==================================


【RESULT】


☆☆戦闘に勝利しました☆☆


[総合判定]

SS+


[討伐モンスター]

バーバリアン×7


[タイム]

00:04:50


[獲得EXP]

10,500


[経験値ブースト]

×1.2


[特殊ボーナス]

《獲得EXP10倍》


[EXP合計]

126,000


[入手アイテム]

強化カクテル×3

防御カクテル×1


==================================


【LEVEL UP】


☆☆レベルアップしました☆☆


Lv. 88→Lv. 89


次のレベルまであと 経験値 64,595


==================================


 リザルト画面を閉じると、ゲントは一度大きく息を吸い込んで呼吸を整える。

 すると、だいぶ冷静さが戻ってきた。


(よし。奥義が手に入るってことが確認できたんだ。この分だと一気にモンスターを殲滅できそうだな)


 この先どこまでモンスターが出現し続けるかわからなかったが、やるべきことはひとつしかない。


(とにかく倒し続けないと)


 そう決意を新たにすると、ゲントはまたべつの敵に目を向ける。


「次いこう。ルルム」


『はいっ! どんどん倒しちゃいましょお~~♪』

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