419 【記憶】
青い空が禍々しい黒い雲に覆われていく。
「x+%*$&##ma+&$#!xxx――――……」
黒いドレスの女性がボソボソと聞き慣れぬ言語を発すると、足下から黒い光が渦巻き立ち上がり、黒い雲の底に巨大な魔法陣を描いた。
「はぁ、はぁ……ブラックローズっ! あ、あなた一体何をするつもりっ!?」
白を基調としたひらひらのミニドレス姿の少女が荒い息を吐きつつ声を張り上げる。巨大な魔法陣の下に佇む黒いドレスの女性は白いドレスの少女を振り返り、美しい口元を歪め嗤った。
「ふふふ……遂にあの方がお目覚めになるわ」
宙に浮かぶ巨大な魔法陣が光を放ち、そこから何か黒い靄のようなものが滲み出すように落ちてくる。
「魔王様、贄としてあなた様にこの世界を捧げます」
次の瞬間、世界は崩壊していた。
『世界は魔王により滅亡しました』
***
「は?」
目の前の画面には、廃墟に佇む少女の後ろ姿と伴に『世界は魔王により滅亡しました』の文字が表示されている。
私はセーブしていた位置からやり直す。
『世界は魔王により滅亡しました』
もう一度。
『世界は魔王により滅亡しました』
『世界は魔王により滅亡しました』
『世界は魔王により滅亡しました』
何度も、何度も、何度も……。
『世界は魔王により滅亡しました』
世界は決して救われない。




